子どもが幸せな人生を送るためには、自己肯定感が高いことが必要

などと、あちこちで耳にするように思います。

 

自己肯定感が高い子どもは、コミュニケーション能力が高く、失敗を恐れず、感情の切り替えが早く、幸福度が高い、などと言われています。

 

しかし全国の公立小学校4~6年生、中学校2年生、高校2年生を対象とし、平成27年に行われた国立青少年教育振興機構の調査結果によると、子どもの自己肯定感は年齢とともに下がっていくことがわかっています。

 

では子どもの自己肯定感を下げないように育てるにはどうしたらよいのでしょう。

今回は、子どもの自己肯定感を下げないために必要な、たった一つの大事なことについてお伝えしたいと思います。

 

自己肯定感って何?

 

字のとおり読むと、自分を肯定する感覚、です。

 

日本セルフエスティーム普及協会のホームページの中に、自己肯定感とは以下のように書かれています。

 

「自己肯定感とは自己価値に関する感覚であり、自分が自分についてどう考え、どう感じているかによって決まる感覚です。

そのままの自分を認め受け入れ、自分を尊重し、自己価値を感じて自らの全存在を肯定する「自己肯定感」の感覚は、何ができるか、何を持っているか、人と比べて優れているかどうかで自分を評価するのではなく、そのままの自分を認める感覚であり、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在」だと思える心の状態が土台となります。」

参考:日本セルフエスティーム普及協会HP

 

自己肯定感が低い日本の若者

 

日本の若者は諸外国の若者に比べて自己肯定感が低いと言われていますが、これは内閣府が数年おきに行っている意識調査(アンケート)の結果によるものです。

26年度の内閣府の調査では、韓国、スウェーデン、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本の若者を対象に行われ、自己肯定感に関する質問として、「自分自身に満足している」「自分には長所がある」の二つの項目がありました。

しかしどちらの質問に対しても、日本の若者ががYESと答えた割合は7か国中最下位になっています。

 

自己肯定感が高いとどうなる?低いとどうなる?

 

自己肯定感が高い子どもは、自分はダメだという感覚がほとんどないため、失敗しても落ち込むことはなく、むしろ失敗から学び、それを活かして成長していくポジティブな流れに中に生きることができます。

人間関係においても、自分を尊重するように相手を尊重することができます。

相手に対して萎縮したり威圧したりすることはなく、ありのままの自分でスムーズなコミュニケーションをとることができます。

 

自己肯定感が低い子どもは、自分はダメだ、という想いが強く、失敗により自己否定が刺激されるので、失敗を恐れたり、失敗すると長く引きずることも多いです。

自分に自信がなく、大切にされている感覚も薄いため、ちょっとしたことでも感情的になりやすい傾向にあります。

自己否定感がベースにあるため、人間関係においては、人目を気にするあまり、自分を抑えて相手に従ったりします。

相手に対して攻撃的になったり、支配的になったりするのも、実は自己否定感がベースになっているのです。

 

こうやって比べてみると、自己肯定感の高い子どもの方が、圧倒的に楽しく自由で幸せな人生を送れそうに感じますよね。

 

子どもの自己肯定感を下げないためにどうしたらよいのか、よく言われていること

 

自己肯定感を下げないために、子どもに対しどう関わるのがよいのか、一般的によく言われていることをピックアップしてみました。

① 認める

② 褒める

③ ポジティブな声掛け

④ 人と比べない

⑤ 子どもがやりたいことをどんどんチャレンジさせてあげる

 

どれもとても大切なことだと思いますが、注意したい点があります。

それは、心からそうしたくてやっているかどうか、です。

 

例えば褒める。

テストで子どもが60点をとったことに対し、本音ではもっと高い点数を取って欲しかったのに、自己肯定感を下げないためには褒めることが必要!と、「60点すごいじゃない」とか「この難しい問題解けたのすごいじゃない」と無理して褒めた。

この場合、子どもは潜在的に親の本音の方を察知します。

そして本音とは裏腹なことを言われていることが、「自分がダメな子だから嘘をつかれる」などと子どもが受け取ってしまい、子どもの自己肯定感を下げてしまうことにもなりかねません。

 

「●●するのがよい、だからやる」のではなく、自然とそうしたくなるような状態に親がなっていることが、本当は大切なのではないでしょうか。

 

子どもの自己肯定感を下げないために必要な、たった一つのこと

 

私が提案したい、子どもの自己肯定感を下げないために必要なたった一つのことは、それは「子どもと自分との違いを尊重すること」です。

「尊重する」には「肯定する」「認める」「大切にする」という意味も含まれます。

 

そもそも、どうして子どもの自己肯定感は下がっていくのでしょう。

それは、親からありのままの自分を認めてもらえてない、と感じる時ではないでしょうか。

 

例えば、テストで60点をとったときに、「なんでもっと高い点数をとれなかったの???」とがっかりされたら、高い点数をとれない自分はダメなんだ、と自己肯定感は下がっていくでしょう。

泣いているときに嫌な顔をされたり、よかれと思ってやったことに対しダメ出しされたり、見捨てられるのではないかと疑うくらい感情的に怒られたりして、「今の自分ではダメなんだ」と子どもが感じてしまったなら、自己肯定感は下がるでしょう。

 

子どもが「ありのままの自分を認めてもらえてない」と感じる時、親は自分と子どもとの違いを尊重できていません。

 

例えば、子どものテストが60点だったことにがっかりするとき、親の気持ちの中では(私が小さい時はいつもテストはもっといい点とれてた)(こんな簡単なテストで60点なんて普通はおかしい)(もっといい点をとらなきゃ将来が大変)などの想いがめぐります。

しかし、その想いは飽くまで、(自分だったら)とか(普通の子どもだったら)とか親が自分の頭の中で勝手に作り出すイメージによるものです。

目の前の子どもは、自分とは全く違う人間であるにも関わらず、自分の中のイメージにあてはめて、正しいとか間違っている、いいとかダメ、などと評価しようとしているのです。

 

では子どもと自分との違いを尊重する立ち位置だとどうなるのでしょうか。

まず、自分は(私が小さい時はいつもテストはもっといい点とれてた)(こんな簡単なテストで60点なんて普通はおかしい)(もっといい点をとらなきゃ将来が大変)と感じるけれど、この子はどう思っているんだろう、と違いを積極的に知ろうとするでしょう。

「60点をとってどう思った?」などと質問するかもしれません。

「頑張った。この問題がすごく難しかったけど解けてよかった!」などと返ってきたら、(この子はそんな風に感じているんだな)と受け止めるでしょう。

さらに尊重する立ち位置だと、「難しい問題がとけたんだね。よかったねー。」などと共感しようとするかもしれません。

 

しかし、子どもの気持ちを知っても、(60点で頑張っただなんて、この子は向上心が薄いのでは?)などと自分の中のイメージに当てはめて否定しようとしてしまう気持ちが湧いてくるかもしれません。

そんなとき、どうして子どもの言うことを否定しようとしてしまうのか、と自分の心の癖を知ろうとするのも、子どもと自分との違いを尊重する立ち位置です。

子どもと自分との違いを知るには、自分を知ることも必要だからです。

自分の心の癖を探っていくと、(自分は親から、100点取れないやつは人間じゃない、などと言われていたから、テストは満点を取らなければならないという思い込みが強いんだ)などと心の癖ができたきっかけを知ることができるかもしれません。

 

まとめ

 

子どもを知る、自分を知る、自分と子どもの違いを尊重する、を繰り返していると、自然とありのままの子どもを認める状態になっていき、その状態でいると自然と①~⑤のような行動がでてくると思います。

しかし、ありのままの子どもを認める状態になっていれば、どんな行動をするのかは大した問題ではなくなっているでしょう。

なぜなら前述したように、子どもは親の本音の方を敏感にキャッチするからです。

すると子どもの自己肯定感は下がることなく、高いまま、人生を歩んでいけるでしょう。

また、親も自分のことを知ることで、親自身の自己肯定感も高くなっていく副次的な効果も期待できます。

 

子どもと自分との違いを尊重する、言葉で書くのは簡単ですが、実際にその立ち位置に立とうとすると想像以上に難しさを感じるかもしれません。

多くの人はトラウマや観念、エゴや感情など、いくつかの心の要因により、子どもも自分自身もありのままに見れなくなっているからです。

でもまずやってみようとすることで、自分の心の中にどんな要因があり、それがどんなふうにネガティブに作用しているのか気づき、気づくことでそれらを扱う方法が見えてくると思います。

 

子どもの自己肯定感を下げないことに興味がある方は、是非、「子どもと自分の違いを尊重する」を意識してみてくださいね。

 

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