
子どもにガミガミと怒ってしまう時って、どんな気持ちでいることが多いですか?
イライラしてるから、という人が多いかもしれません。
子どもに不安や心配を感じているから、という方もいそうですね。
勉強しなさい!とついガミガミと言ってしまう裏には、勉強しないと将来大変なことになる、などの不安や心配が隠れています。
そういった不安や心配を抱えたまま子どもに接していると、子どもとの関係においてはあまりよくなさそうです。
それはなぜなのでしょうか。
理由を探りながら、不安や心配を手放す方法をお伝えしたいと思います。
この記事の目次
なぜ子どもにガミガミ言ってしまうのか
イライラして子どもを怒鳴って叱りつけてしまう、ということもたまにあるかもしれません。
しかし、小言を言うレベルの「ガミガミ言う」は、気づけばしょっちゅうやっている、という方も多そうです。
「好き嫌いせず食べなさい」
「勉強しなさい」
「早く寝なさい」
「片付けなさい」
「さっさとやりなさい」
上記のようにダイレクトにうるさく言う時もあれば、
「〇〇ちゃんとはあまりつき合わない方がいいんじゃない?」
「早め早めにやっておかないと、将来困るわよ」
「上着を着ないと風邪ひくじゃない」
「今のうちから塾に行っておいた方が・・・」
「お母さん、あなたのためを思って言ってるのよ?」
などと、アドバイスのような形で、うるさく言っているときもあるでしょう。
ゆったりと楽しく子どもと話す時間よりも、責め立てるような声で何かとうるさく言う時間が長くなってしまっているなら、あなたと子どもとの関係はそれほどうまくいっていないかもしれません。
もし子どもとの関係に変化を起こしたいなら、ガミガミ言ってしまうことに対してご自身の心の中を探ってみることをおススメします。
ではなぜ、子どもにガミガミ言ってしまうのでしょうか。
子どもにガミガミ言ってしまう心理
子どもにガミガミ言ってしまう時、それは不安や心配から言っていることがほとんどです。
例えば、子どもの書く字が汚かったとします。
汚い字を見るたびに、「もっとキレイに書けないの?」「習字を習う?」などガミガミ言ってしまいます。
さて、このときに、ガミガミ言ってしまう裏側には、字が汚いと子どもに悪いことが起きる、という不安や心配があります。
例えば、字が汚いと、【バカにされる】【就職に不利】【人間性を疑われる】などの悪いことが起きる、などです。
そして不安や心配をベースにしたネガティブな想いが湧いてくる度に、何度もうるさく言ってしまいます。
何度もガミガミ言うことのデメリット
しかし、何度もガミガミ言って、子どもが言うことをきいてくれるでしょうか。
ほとんどの場合、ガミガミ言えば言うほど、子どものやる気がなくなったり、機嫌が悪くなったり、子どもが反抗してきたり、など、ネガティブな反応が返ってくるのではないでしょうか。
また言っても言っても、物事がうまく進まないのを見ると、当然ストレスが溜まってきます。
悪いことが起きないように、と子どものためを思って言っているのに、子どもはそんな自分の想いを無視しているように感じて、イライラもしてくるでしょう。
何度も同じことを繰り返し言う自分にも、嫌気がさしてくるかもしれません。
しかしガミガミ言うからこそ、子どもをなんとか悪い方向にいかないように導けていると思うと、ガミガミ言うことをやめることは難しいとあきらめてしまいがちです。
なぜ子どもは何度もうるさく言わせるのか
子どもが1回で言うことをきいてくれれば、何度も言う必要はないのに・・・、と思われる方も多いでしょう。
なぜ、子どもは1回で言うことをきかずに、何度も繰り返しガミガミと言わせるのでしょうか。
小さいころは、単に親の言ったことが聞こえていない、ということも起きえます。
自分の興味あるものに対する集中力が高いので、それ以外には注意力散漫になるからです。
また長期的な記憶が保ちにくいので、言われたことをすぐ忘れる、ということも起きやすいです。
その場合は、何度も繰り返し、言ってあげることは必要でしょう。
しかしある程度成長して、親の言うことをちゃんと理解して覚えていられる年齢になったら、別問題です。
ではなぜ、言葉はちゃんと聞こえて意味も理解しているのに、従ってくれなかったり、嫌な顔をしたりするのでしょうか。
色々なパターンがありますが、根本的な問題としては、親が不安や心配をベースにして言ってくる、というところです。
なぜ不安や心配をベースにしていると、うまくいかないのか
なぜ不安や心配をベースにして、子どもにガミガミ言うと、子どもは思うようにならないのでしょうか。
それは、子どもは、親がまだ起こっていない将来の不安や心配を見ていて、今の自分自身を信頼してくれていないことを察知するからです。
例えば、ご自身の子ども時代はどうだったでしょうか。
「勉強しなさい!」とガミガミ親に言われて、(今、やろうと思ってたのに・・・)と嫌な気分になったことはないでしょうか。
嫌な気分のときは、なかなか勉強する気にもなれないことが多いものです。
もちろん、親に言われたことはすぐ従った、という方もいるかもしれませんが、ほとんどの方は、親にガミガミ言われて嫌だったという経験があると思います。
どうして嫌だったのでしょうか。
それは、「このままではこの子は悪い方向にいってしまう」などといった不安や心配をベースにして話しかけられていて、「この子は何があっても大丈夫」というように信頼をされていない、ということを察知していた可能性が大きいです。
「この子は大丈夫?」と不安や心配の目で見られるのと、「この子は大丈夫!」と信頼の目で見られるのと、どちらが嫌な気分でどちらがいい気分になるでしょうか。
同じように、自分の子どもも感じています。
親に信頼されていないと感じると、悲しみや怒り、不安などの感情が湧いてきて、嫌な気分になります。
嫌な気分になると、反抗的になったり、嫌な気分を感じたくなくて親の言うことをおざなりに聞くようになったりします。
そんな子どもを見て、ますます不安や心配がつのり、またこれだけ子どものためを思っているのに受け入れてもらえないイライラも加担されて、何度もうるさく言うようになります。
そして、子どもはますます嫌な気分になっていく。
そんな悪循環が繰り返されるのです。
悪循環から抜け出そう 不安や心配を手放す方法
ガミガミ言ってしまうことの悪循環から抜け出したいなら、自分の中にある不安や心配を手放しましょう。
不安や心配を見つけて手放すワークを下にご紹介します。
不安や心配を見つけるワーク
① 子どもに何度もうるさく言ってしまうことは何でしょうか。
例) 「勉強しなさい」「片付けなさい」「外で遊びなさい」
② 不安や心配から①のようにうるさく言ってしまうとしたら、どんな不安や心配があるのでしょうか。
書き出してみましょう。
例) 「勉強しなさい」
・勉強しないと学校の勉強についていけなくなって落ちこぼれてニートになる
・勉強しないと受験に失敗していい学校に落ちて就職に苦労してお金に不自由する
・勉強しないと成績が悪くて人からバカにされて友だちがいなくなる
不安や心配を手放すワーク
① 不安や心配を見つけるワークで出た、不安や心配に対して、本当にそうなのか、疑ってみましょう。
ネットなどで自分の不安や心配の反対意見を検索してみるのもよいでしょう。
例) 勉強をしなくても大丈夫な理由を探ってみる
・勉強しろと言って嫌がるようなら、勉強が必要だと子どもが感じたときにやった方が、効率よく勉強できて成績が上がる。
・成績が悪くなったとしても、成績が悪くてバカにするような人たちがいたら、人の本性に気づけて、本当の人間関係を築いていくきっかけになる。
・これからは学歴が就職に有利な時代ではなくなり、どれだけ好きなことを追求できるかが大切になってくる。
② 不安や心配を見つけるワークで出た、不安や心配に対して、誰かから(例えば自分の親や学校の先生から)それを言われたことがなかったか、記憶を探ってましょう。
もし思い当たることがあったら、それを言われたときの当時の自分の想いを感じ直してみましょう。
例)
・中学生のころ、父親から「成績が悪くなると、ろくな大人になれない」と言われて、怖かった。不安だった。
・小さいころから、母親に「お父さんみたいな学のない人間になっちゃだめよ」と言われ続けて、悲しかった。
・小学校の先生が成績の悪い子を馬鹿にするような態度をとっているのを見て、嫌だった。
不安や心配にはインナーチャイルドが関係している
インナーチャイルドとは小さいころについた心の傷のことを指します。
特に親との関係において傷ついたことで、インナーチャイルドが作られます。
インナーチャイルドは心の奥底にたまっていき、記憶はなくしても、心の痛みとして無意識に影響します。
実は、子どもにガミガミ言ってしまう裏にある不安や心配はインナーチャイルドが影響していることがほとんどなのです。
自分が子どもの頃言われて嫌だったことを、自分の子どもにガミガミ言ってしまうのもインナーチャイルドが影響しています。
不安や心配を手放すワーク②は、自分のインナーチャイルドを見つけて癒すワークでもあります。
不安や心配を手放すワーク①で不安や心配を減らすことが難しい場合は、インナーチャイルドの影響が大きいと考えられます。
不安や心配を手放すワーク②は一番、肝になるワークでもありますので、ゆっくり時間をとってやってみてください。
まとめ
「子どもを信頼しよう」、今あちこちでよく聞かれると思います。
そして本当に子どもを信頼できていれば、うるさく言ってしまうこともなくなります。
そのままで子どもは大丈夫なのですから、子どもを変えようとする必要はなくなるからです。
不安や心配からうるさく言うより、信頼している中でさらっと言った一言を、子どもはきいてくれたりします。
でも、一時的には信頼できても、ずっと子どもを心から信頼することは難しいものです。
なぜなら、小さいころから心の奥底に積もり積もってきたインナーチャイルドからくる不安や心配が足を引っ張るからです。
無意識の力は自分が思っているよりも膨大なのです。
なので、うるさく言っている自分に気づいたら、まず、仕方ないなぁと自分を優しく受け入れましょう。
そして、「こんな自分でも大丈夫」と自分を信頼しようとしてみてください。
それから余裕があるときに、ワークをしていってくださいね。
また子どもへの信頼を深めることについての記事もありますので、興味ある方は読んでみてください。
子育てのイライラをなんとかしたい方へ PDF本プレゼント中。詳しくは画像をクリック!