
「今日こそ、怒らない」
朝、そう決めて、深呼吸して、一日を始めたはずだった。
それなのに、夜、
なかなか寝ない子どもを前に、気づいたら大きな声が出ていた。
子どもの泣き声が、静かな部屋に響く。
心臓がドクドクして、手が冷たくなって、胸の奥がぎゅっと縮む。
(本も読んだし、動画も見たのに)
(学んだはずなのに、なんで、また・・・)
泣きながら眠ったわが子の顔を見て、「やっぱり私には、子育ては無理なのかな」と、自分を責めていませんか。
翌朝、目が覚めた瞬間から昨日のことを思い出して、体が重く感じることもあるかもしれません。
私は八神詠子といいます。
インナーチャイルドヒーラーとして、子育てに悩むお母さん方に、3,000件以上のセッションをしてきました。
今日は「怒らないための方法」をさらに増やす前に、知っているのにできない苦しさと、怒鳴ったあとに自分を責め続けてしまう気持ちを、一緒に見つめてみたいと思います。
インナーチャイルドの視点も交えながら、今の生活でできることまでお伝えしますね。
わかっているからこそ、できない自分が苦しい
子どもの気持ちを受け止めることも、頭ごなしに怒らないことも、大切だと知っている。
自分が子どもの頃に苦しかったからこそ、わが子にはのびのび育ってほしいと思っている。
だから、優しくできなかった日は、「今日はうまくいかなかった」では終われないのかもしれません。
「知っているのにできない私は、もっとダメだ」と、自分を責めてしまう。
ご飯はちゃんと作りたいし、絵本も読んであげたい。
タブレットにはできるだけ頼らず、夜は8時までに寝かせたい。
一つひとつは、大切にしてきたことなのでしょう。
でも、いつの間にか全部が「できなければいけないこと」になって、あなたを追い詰めてはいないでしょうか。
学ぶ中で、「こんなふうに子どもに接したい」と思える方法に出会えた。
それなのに、その知識が「これができない私は、不合格」という、自分を採点する物差しになってしまうのは、つらいことですよね。
これまで学んできたことを、否定する必要はありません。
ただ、その学びを、自分を責めるためだけに使わなくてもいいのです。
「怒鳴ってしまった」ことと「ダメな母親」であることは、同じではない
怒鳴ってしまった自分を責めるとき、私たちはよく、ふたつのことをひとつにしてしまいます。
ここでは、その2つを、そっと切り分けてみましょう。
起きたことと、あなたの価値は、別のもの
「怒鳴ってしまった」は、起きたことです。
「私はダメな母親だ」は、あなた自身への評価です。
この2つは、同じではありません。
起きたことには、ごめんねと伝える、つながり直す、という対応ができます。
でも、「ダメな母親」という評価には、直すところがありません。
怒鳴ってしまったことだけで、あなたの母親としての価値は決まりません。
「今日は大きな声が出てしまった」と、起きたことだけを見る。
それだけでも、自責の深さは、少し変わってきます。
怒る直前のあなたに、何が生じていましたか
もうひとつ、振り返ってみてほしいことがあります。
それは、怒鳴る直前のあなたに、何が生じていたのか、ということです。
子どもの行動だけが、怒りの原因ではないことが、実はよくあります。
たとえば、こんなことが生じていなかったでしょうか。
・睡眠不足や疲れで、心にも体にも余裕がなかった
・一日中、誰とも大人の会話をしていなかった(孤独)
・「あと30分で寝かさなきゃ」という時間への焦り
・「ちゃんと食べさせなきゃ」「こうすべき」という、自分に課したルール
怒りの奥には、疲れ、不安、孤独、(なんで自分ばっかり)という報われなさなどが隠れていることがあります。
寝ない子どもに怒っているようで、本当は、「今日もちゃんとできなかった」と感じる自分が苦しいのかもしれません。
ここをチェックできると、「子どもに怒鳴った私」のほかに、「限界まで一人で頑張っていた私」がいたことに気づけるようになります。
インナーチャイルドの視点で、怒りと自責を見つめてみる
この記事では、子どもの頃に抱えた寂しさや我慢、今も自分を縛っている思いに目を向けるために、「インナーチャイルド」という言葉を使います。
インナーチャイルドとは、子ども時代についてしまった心の傷、満たされなかった想いのことです。
子ども時代に、怒りや悲しみを出せなかったり、わかってもらえなかったりすると、そのときの感情は消化されないまま、インナーチャイルドとして心の奥に残ります。
そして、子育てで思い通りにならない場面に出会うと、そのインナーチャイルドが刺激されて、あの頃の感情が一気にあふれ出してしまいます。
知識や方法は、頭で理解するもの。
でも、あふれ出す感情は、頭ではなく、心の奥から動き出します。
だから、学んだこととは関係なく、先に声が出てしまうんですね。
子どもの自由な姿を前に、あの頃の我慢を思い出すことはありませんか
子どもは、嫌なことには「イヤ」と言い、抱っこしてほしい時には、何度でも求めてくる。
そんな姿を見て、いら立ちだけでなく、「私はそんなふうにできなかった」という気持ちが浮かぶことはないでしょうか。
子どもの頃、親の顔色を見て、言いたいことを飲み込んでいた。
甘えたくても、困らせないように、一人で頑張っていた。
もしそんな経験に心当たりがあるなら、今、子どもの要求に応える場面で、どんな気持ちになるかを確かめてみてほしいのです。
「この子の気持ちはわかりたい。でも、私の気持ちは誰がわかってくれるの?」という思いはないでしょうか。
そう感じた自分を、さらに責めなくて大丈夫です。
その気持ちを子どもにぶつけないためにも、まずは大人同士で話せる場所や、安心して頼れる支えを探していきましょう。
怒鳴ったあとの「私はダメ」にも、見つめたい思いがある
インナーチャイルドの視点から見つめたいのは、怒りが出る瞬間だけではありません。
怒鳴ったあとに、自分を許せなくなる苦しさにも目を向けてみたいのです。
子どもの頃、失敗すると強く責められたり、親の機嫌が変わったりした記憶があるでしょうか。
「ちゃんとできなければ、受け入れてもらえない」と感じていたことはありませんか。
もし今も似た言葉を自分に向けているなら、「怒鳴ってしまったこと」への後悔に加えて、「ちゃんとできない私は、ここにいてはいけない」という厳しさまで背負っていないか、確かめてみてください。
これは、あなたにも必ず同じ傷があるという話ではありません。
当てはまらないと感じる部分は、そのまま置いておいてください。
今の自分に重なるところがあるなら、こんなふうに問いかけてみませんか。
「私はあの頃、できなかった時に、どんな言葉をかけてほしかったのだろう」と。
私の体験談:怒りを出してはいけなかった子ども時代
私の父は、高圧的な人でした。
叱るときは威圧的で、体罰や、押し入れに閉じ込められることもありました。
子どもの私は、父の機嫌を損ねないように、怒りも悲しみも飲み込んで、いい子でいようとしていました。
そんな中で、自分の気持ちを出すことは危険なことだと、いつの間にか学んでいったんだと思います。
大人になって、父が私にしたように息子を叩いてしまったとき、あの頃飲み込んできた感情が、一気にあふれ出したのだと気づきました。
そのたびに、自分の中のインナーチャイルドを見つめて、消化していったんです。
親と同じ口調に気づいても、あなたのすべてが同じになったわけではない
怒鳴った自分の声を聞いて、「今の言い方、親と同じだった」と、ぞっとすることがあるかもしれません。
あんなふうには絶対にならないと決めていたのに、と。
でも、似た言葉を口にしたことと、あなたのすべてが親と同じだということは、分けて考えてみてください。
今の一場面だけで、この先の親子関係まで決まったと結論づけなくていいのです。
「あの言い方をされた時、当時の私はどんな気持ちだったんだろう」
もし振り返れそうなら、怒っていた親だけでなく、その目の前にいた子ども時代の自分の気持ちにも目を向けてみませんか。
怖かったし、わかってほしかった。
それでも、親を困らせないように頑張っていたのかもしれません。
過去を無理に思い出したり、親を許そうとしたりする必要はありません。
振り返ることがつらければ、そこで止めて、今のあなたが安心して過ごせることを優先してください。
今夜は「もう怒らない」と誓うより、サポートを一つ増やす
「明日こそ、絶対に怒らない!」
そう約束したくなる気持ちもよくわかります。
そのうえで、明日のあなたをサポートしてくれるものを一つ増やせないでしょうか。
気持ちの持ち方だけでなく、実際の負担にも手を入れてみるのです。
代わってほしいことを、一つだけ具体的にする
誓いよりも、現実的な手助けを、ひとつだけ増やしてみてください。
たとえば、こんなことです。
・寝かしつけを、週に1〜2回、夫と交代してもらう
・夕ごはんを、お惣菜や冷凍食品にして、キッチンに立つ時間を減らす
・お風呂を、朝に回す日をつくる
・家事をひとつ、思い切ってやめてみる
怒りやすい時間帯に、人手や余白を足すほうが、気合いで抑え込むよりも、ずっと現実的です。
家族に頼みにくい事情がある時は、それをあなたの伝え方だけの問題にしなくて大丈夫です。
一時預かりや地域の相談先など、家族以外の支えも選択肢に入れてほしいと思います。
ひとつ減らせたら、それだけで、十分です。
落ち着いてから、子どもに伝える言葉を決めておく
「さっきは大きな声を出してごめんね。びっくりしたよね」
長く説明できなくても、まずはそんな一言から伝えることができます。
もちろん、謝ればすべてが解消する、ということではありません。
だからこそ、謝ることと、繰り返さないためのサポートを増やすことを、両方考えていきましょう。
大人のつらさは、大人同士のサポートの中で扱っていけると、子どもが安心して育っていける環境が整っていきやすいです。
そのためにも、あなたが本音を話せる場所を持つことを、大切にしてほしいと思います。
根本から変えるには、インナーチャイルドと向き合うこと
日常の小さな工夫だけでも、少しずつ変化は起きます。
そのうえで、根本から「怒鳴ってしまう流れ」と「自分を責める癖」を手放すには、あなた自身の中にある「ちゃんとできない自分は受け入れてもらえない」といったインナーチャイルドと向き合うことがひとつの方法です。
向き合うといっても、難しく考えなくて大丈夫です。
感情があふれそうになった瞬間、それを抑え込もうとせず、「今、あの頃の私が出てきているんだな」と、自分自身で気づいてあげる。
たったそれだけでも、心がゆるんでいく方もいらっしゃいます。
上手に過去の傷を癒せたかを採点する必要はありません。
「私は何がつらかったのだろう」「今、何を助けてほしいのだろう」と、ご自身の気持ちを置き去りにしないところから始めてみませんか。
まとめ:自分を責める代わりに、わかろうとするところから
「怒鳴ってしまった私」のほかに、「一人で抱えるのが苦しかった私」や、「ちゃんとできなければと怖がっていた私」がいるのかもしれません。
もし思い当たるなら、その気持ちにも耳を傾けてみてください。
怒鳴る行動には向き合いながら、自分への厳しさの奥にある想いも見つめる。
そして、今の生活で必要なサポートを増やしていく。
変わりたいあなたを、責める以外の方法で支えていく。
今日はその方向に、一歩だけ選んでみませんか。
子どもと笑い合いたいという願いも、あなた自身が安心して過ごしたいという願いも、大切にしてほしいと思います。
その両方を大切にする道を、探していきましょう。
心から、応援しています。
・怒鳴ってしまったあとに、自分を責め続けるのをやめたい。
・子どものためにもできるだけ早く落ち着きたい。
・元に戻らない変化をしたい。
・子どもへのインナーチャイルドの連鎖を止めたい。
・子どもと一緒に、無邪気に笑って楽しめる時間を増やしたい。
私の『インナーチャイルド』を扱うヒーリングセッションでは、あなたの満たされなかった想いや痛みに寄り添いながら、インナーチャイルドをエネルギー的に扱っていきます。
興味がある方はこちらをご覧くださいね。
もっと詳しく知りたい方へ。
◾️「学んだのに、また怒鳴ってしまった夜。やっぱり私には無理なのかな、と思ったあなたへ」
怒鳴ってしまったのは、あなたの努力が足りないからではありません。
ひとりで抱え込んできた苦しさにも、ちゃんと理由があります。
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父に叩かれて育った私が、息子を叩いてしまった連鎖を描いた体験漫画も入っているので、「自分だけがおかしいわけじゃなかった」と感じてもらえるかもしれません。
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今すぐ決めなくて大丈夫です。
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