【甘えとわがままの違い】を知って子どもの心を健やかに育もう

 

小さいころの甘えは受け入れてあげることが子どもの自己肯定感のために大切、などと最近よく耳にするように思います。

 

でも、いざ甘えてくる子どもを前にして、

 

(これって甘えなの?)

 

(単なるわがままじゃない?)

 

(わがままだったら拒否したほうがいいのでは?)

 

などと戸惑うことも多いのではないでしょうか。

 

「これは甘え」「あれはわがまま」、と明確に境界線を引くことはできないかもしれませんが、甘えとわがままのエネルギー的な違いを探ってみることで、目の前の子どもをよりスッキリと受け入れられるお役に立てればと思い、この記事をまとめます。

 

甘えとは?

 

では甘えとは一体なんなのでしょうか。

 

精神医学者の土居健郎氏は甘えを以下のように定義しているそうです。

〈甘え〉とは,乳児の精神がある程度発達して,母親が自分とは別の存在であると知覚した後に,その母親を求めていることを指していう言葉

 

思えば、赤ちゃんは朝から晩までずっとお母さん(もしくは保育者)を求めています。

食べることも移動することも一人でできません。

赤ちゃんは生きるために誰かを必要とします。

だからなのか、赤ちゃんの行為を「甘えている」と表現することはほとんどないでしょう。

 

ある程度成長して、一人でできることがそれなりに多くなってきた子どもの行動や欲求に対し「甘え」という言葉を使い始めるように思います。

 

なぜ子どもは甘えるのか

 

「甘え」という言葉を赤ちゃんに使えるなら、母親のお腹にいる胎児は究極に甘えているのかもしれません。

 

生きることすべてを母親に依存しています。

酸素の供給でさえも!

母親の胎内から生まれ出た子どもの最初の自立の一歩は呼吸かもしれませんね。

 

月齢を重ね、自分の体を自分でコントロールすることができ始めると、今までされるがままになっていたことを自分でやってみたくなる時期がきます。

ハイハイを経て、立って歩けるようになると、どんどん行動範囲は広がり、母親の手を離れることも多くなってきます。

 

しかし、子どもにとって、それまでずっとそばにいた母親のそばから離れたり、やってもらっていたことを自分でやろうとすることは新たな挑戦であり、未知の世界です。

母親や父親、兄姉や周りの大人たちがやっていたようにうまくやれないことがほとんどでしょう。

一人で歩く!と抱っこを嫌がって覚束なく歩いたとたん、転ぶこともあります。

歩いて行った先で犬にほえられるかもしれません。

子どもの性質にもよりますが、大抵の子どもは慌てて母親を求めるでしょう。

 

そう、母親や家族のもとは、安心安全な基地のようなものなのです。

 

そんな風に、自分の世界を広げるときの怖れや不安を、安心安全な基地で癒しながら、また世界を広げていくのです。

安心安全な基地で癒されたい、という気持ちからの行動や態度が、甘えなのではないかと思います。

 

なぜ甘えを受け入れることが大切なのか

 

甘えを受け入れることはなぜ大切なんでしょうか。

また子どもの自己肯定感を育てるためには甘えを受け入れることが大事と書いてある情報がありますが、それはどういうことなのでしょうか。

 

甘えを受け入れてもらうことは、子どもにとって安心安全な基地で癒されるようなものとお伝えしました。

充分に安心安全を感じた子どもは、前向きに自分の世界を広げていくことができるようになります。

そうやって、世界を広げる冒険と甘えを繰り返すうちに、冒険に出かける時間が長くなっていきます。

 

親によって充分に甘えを受け入れられた子どもは、安心安全の基地を自分の外側にではなく、徐々に自分の内側、心の中に持つことができるようになります。

心の中に安心安全の基地を持つということは、(いつでも自分は満たされる)(いつでも自分は安心安全を感じられる)ことを信頼できるということです。

その信頼は自己肯定感のベースになります。

 

子どもの人生にとってこれほど心強いことはないのではないでしょうか。

 

わがままと甘えとの違い

 

ではわがままとは一体なんなのでしょうか。

 

他人のことを考えず,自分の都合だけを考えて行動する・こと(さま)。身勝手。自分勝手。 「 -をいう」 「 -な性格」

三省堂 大辞林

 

辞典によると上記のように書かれています。

 

「他人のことを考えず、自分の都合だけを考えて行動すること」、は甘えにも共通する部分かもしれません。

だから、甘えとわがままは線引きが難しいのでしょう。

 

しかし他人のことを考えながら甘えてくる乳幼児というのもイメージしにくいかもしれません。

経験も浅く、かつ脳が未熟な幼いうちは、他人のことを考える、ということは慣れないことでしょう。

 

ではわがままと甘えとの違いは何なのでしょうか。

 

私は、以下のように感じています。

 

甘え: 本当に欲しいものを素直に求めること

わがまま: どうせ求めるものは得られない、どうせ自分は満たされないと、いう心の傷が混ざった欲求

 

エネルギー的に言うと、『ベクトルがストレートでシンプルで、クリアー』なのが甘えで、『ベクトルがあちこちに交錯して、複雑化して、ちょっとよどんでいる』のがわがまま、と言えるのではないかと思っています。

 

甘えが受け入れられないとわがままになる?

 

わがまま=心の傷が混ざっている欲求とはどういうことでしょうか。

 

心の傷とは、インナーチャイルドのことです。

 

インナーチャイルドの詳細はこちら

 

自分が抱っこして欲しいときに抱っこしてもらえなかった、やりたいと思うことをやらせてもらえなかった、などの出来事によって子どもが傷つくと、子どもはどんどんネガティブな情報を自分の心の奥底に蓄積していきます。

このネガティブな情報とエネルギーがくっついたものがインナーチャイルドです。

 

(どうせ求めるものは得られない)(どうせ自分は満たされない)などというインナーチャイルドの影響が大きくなると、子どもは本当に欲しいものが求めることが怖くなってきます。

 

本当は満たされているという実感が欲しいのに、それを求めても得られないと思ってるので、代わりのものを求めるようになっていきます。

例えば、おもちゃをやたらと買って欲しがる、というのはその一例かもしれません。

でも本当に欲しいのはおもちゃではないので、その場で一時的に満たされても、心から満たされることはありません。

そして、またすぐ、次のおもちゃを買ってもらいたがるようになります。

 

わがままにはインナーチャイルドが混ざっているので、わがままからの欲求を拒否するとインナーチャイルドが更に刺激されて、子どもの感情は大きく揺さぶられます。

手がつけられないほど感情的になったり、親を困らせるようなひねくれた態度をわざととったりします。

 

インナーチャイルドのエネルギーは黒い雲のようなイメージでもあるので、わがままをエネルギー的に表現すると、『ベクトルがあちこちに交錯して、複雑化して、よどんでいる』というような感じの表現になります。

 

さて、では甘えは受け入れるとしても、わがままに対してはどう接して行ったらいいのでしょうか。

 

わがままはどう受け入れていったらいいのか?

 

「このままではわがままな大人になってしまう」と危惧して、子どものわがままをダメ!とすると、子どものインナーチャイルドは大きくなっていきます。

かと言って、嫌な気持ちを抑えて、わがままの欲求をそのまま聞き入れても、子どもは親の本音の方を見抜くので、これもまた、インナーチャイルドが大きくなる要因になります。

 

拒否するのでもなく、聞き入れるのでもない。

一体、どうすればいいのでしょうか。

 

私の提案は、目の前の子どもが本当は何を求めているのか、探ろうとし続けることです。

探り続けることで、本当に欲しいものが感じられるようになってきます。

子どもに対する、本来母親が持つ繊細な感覚が開いていくのです。

 

最初は何で泣いているのかわからなかった赤ちゃんの泣き声に耳を傾けるうちに、徐々に赤ちゃんの欲求を察知できるようになるイメージです。

 

おもちゃが欲しいとねだっても、本当はゆっくりと自分の話を聞いてほしいだけかもしれません。

じっと、優しい目線で、見つめ続けてほしいだけかもしれません。

ただ、自分の存在を丸ごと受け入れてほしいだけかもしれません。

 

子どもは本当に欲しいものが得られて、心から満たされるようになると、わがままは減っていきます。

そして必要なときには、素直でシンプルなエネルギーで甘えられるようになっていきます。

 

まとめ

 

インナーチャイルドの影響を受けた子どものわがままは、親のインナーチャイルドを刺激します。

だから、多くの親は、子どものわがままにネガティブに反応するのです。

幼いころ、自分の親から自分のわがままに対してネガティブに反応されていた人は特に、わがままに関するインナーチャイルドを持っているからです。

そう、インナーチャイルドって連鎖するのですよ。

 

そして目の前の子どもに対し、本当に欲しいものは何だろう、と感じ続けるように、自分に対しても「私の本当に欲しいものは何?」と問いかけ続けてあげることをおススメします。

親の私たちだって、充分傷ついているんですから、やはり満たされる必要があるんです。

 

そうやって、親も子も、心から満たされて、幸せな親子関係が広がっていくことを祈っています。

 

 

 

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