
「またヒステリックに怒鳴ってしまった…こんな親じゃダメなんじゃないか」
「どうして冷静でいられないのだろう。子どもの脳の発達に悪影響を与えてしまうのでは…」
子どもに対してヒステリックに怒ってしまうたびに、自己嫌悪に苛まれる日々を過ごしていませんか?
実はヒステリックになってしまうのは脳科学的な理由があります。
私たちが子どもに対して感情的になるとき、脳が「サバイバル・モード」に入っているのです。
特に時間に追われる朝の準備や夕食後の片付けなど、ストレスが高まる状況では、扁桃体が活性化し、理性を司る前頭前野の機能が低下します。
この反応パターンは幼少期からの体験によって脳に刻まれていますが、新しいパターンを作ることも可能です。
まずは自分の脳の状態を理解し、感情のコントロール法を身につけ、そして子ども時代の心の傷(インナーチャイルド)と向き合うことで、怒りの連鎖を断ち切りましょう!
この記事では、子どもに対してヒステリックに怒ってしまい、自分を責めている母親に向けて、
- 子どもに怒る時の脳のメカニズム
- 実践できる感情コントロールの方法5つ
- インナーチャイルドを癒して根本から変わる方法
上記について、私自身が子育ての中で怒りの感情と向き合い、乗り越えてきた体験を交えながら解説しています。
あなたは決して一人ではありません。
多くの親が同じ悩みを抱えています。
この記事を読むことで、なぜ怒ってしまうのかを理解し、実践的な対処法を知ることができます。
子どもも自分も大切にする穏やかな親子関係への第一歩を、今日から踏み出してみませんか?
子どもにヒステリックに怒る脳のメカニズム
子どもに対してヒステリックに怒ってしまうのは、あなたの脳が「サバイバル・モード」に入っているから。
脳科学の視点から見ると、これは異常な反応ではなく、ストレスや疲労によって引き起こされる脳の自然な防衛反応なのです。
私たちが子どもに対して感情的になるとき、それは脳の特定の部位が過剰に活性化し、理性的な判断を司る部分の機能が一時的に低下しています。
特に仕事と育児の両立に懸命になる親の脳は、慢性的なストレス状態に置かれがちで、些細なきっかけで感情が爆発しやすくなっています。
以下では、怒りが生じる瞬間の脳内変化から、日常的なストレスが脳に与える影響まで、科学的な視点から詳しく解説していきます。
怒りの瞬間に脳で起きている科学的変化
子どもに対して怒りを感じた瞬間、あなたの脳では「感情脳」と「理性脳」のバランスが崩れています。
具体的には、扁桃体と呼ばれる脳の奥深くにある感情を司る部位が活性化し、前頭前野と呼ばれる理性的な判断を担う部位の働きが弱まるのです。
この反応は数ミリ秒という非常に短い時間で起こります。
「なぜまた同じことを言わなければならないの」と思った瞬間、扁桃体が活性化し、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンが分泌されます。
すると血圧が上昇し、呼吸が浅くなり、筋肉が緊張するという身体反応が連鎖的に起こるのです。
特に重要なのは、この反応が自動的に起こるという点です。
私たちの脳は危険を察知すると、考える前に反応するようプログラムされています。
子どもが言うことを聞かないという状況は、脳にとっては「危険信号」として認識されることがあるのです。
「また片付けをしない…このままでは子どもの将来が心配」といった思考が、脳を警戒モードに切り替えてしまいます。
脳科学者のダニエル・シーゲル博士によれば、親が怒りを感じるのは、しばしば「予測できない状況」や「コントロールを失う恐れ」に直面したときだと言います。
子どもの行動が予測と異なると、脳は不安を感じ、その不安を怒りとして表現するのです。
この脳内の変化を理解することで、怒りは「悪い親だから」ではなく、脳の自然な反応であることがわかります。
理解することが、この反応パターンを変えるための第一歩となるでしょう。
ママの脳が「サバイバル・モード」に入るとき
「子どもの面倒を見ながらメールをチェックし、夕食の献立も考えなきゃ」というマルチタスクの状況で、突然子どもが泣き出したり、言うことを聞かなかったりすると、母親の脳は「サバイバル・モード」に入りやすくなります。
このモードでは、脳は目の前の「脅威」に対処することを最優先し、理性的な判断能力は一時的に低下してしまうのです。
生存モードに入った脳では、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)が活性化し、ストレスホルモンの分泌が促進されます。
このとき、脳は非常に原始的な「戦うか逃げるか凍りつくか」という反応パターンに支配されます。
子どもへの怒りの爆発は、まさに「戦う」反応の表れなのです。
特に注目すべきは、このサバイバル・モードが「伝染する」という点。
親がイライラしていると、子どもの脳もそれを感知して同様の状態になりやすいことが研究で明らかになっています。
つまり、親の怒りは子どもの情緒不安定さを引き起こし、それがさらに親のストレスを高めるという悪循環を生み出すのです。
「なぜ私はいつも怒ってしまうのだろう」と自分を責める方もいるかもしれませんが、これは脳の防衛本能による自然な反応です。
ハーバード大学の研究によれば、慢性的な睡眠不足やストレスにさらされている母親は、扁桃体の過敏性が高まり、サバイバル・モードに入りやすくなるとされています。
サバイバル・モードを認識し、それが一時的な脳の状態であることを理解することで、この反応に対処する第一歩を踏み出すことができるでしょう。
仕事と育児の両立がもたらす脳への影響
仕事と育児を両立させる生活は、脳に継続的なストレスをかけ続ける状態を作り出します。
このような慢性的なストレス状態では、脳の前頭前野(理性的な判断を担う部位)の機能が低下し、情動反応を制御する能力が弱まることが脳科学研究で明らかになっています。
慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの機能を変化させ、気分の不安定化やモティベーションの低下を招き、感情の過剰反応を引き起こすことが知られています。
するとイライラしやすくなり、子どもの小さな行動にも過剰に反応してしまうのです。
また「朝は仕事の準備、夜は家事に追われ、自分の時間がない…」という状況が続くと、海馬という記憶を司る脳の部位も悪影響を受けます。
すると過去の経験から学んだ冷静な対応を思い出すことが難しくなり、感情的な反応が優先されてしまいます。
そして子育て中の母親は頻繁に注意を切り替える必要があります。
このマルチタスキングは前頭前野に負担をかけ、集中力や判断力の低下を引き起こすことが認められていいます。
その結果、子どもの行動に対して冷静に対応する余裕がなくなってしまうのです。
カリフォルニア大学の研究では、仕事と育児の両立ストレスが高い母親は、コルチゾールのリズムが乱れやすく、これが感情コントロール機能の低下と関連していることが示されています。
しかし、適切なセルフケアや休息を取り入れることで、この影響は軽減できることも明らかになっています。
仕事と育児の両立がもたらす脳への影響を理解することで、自分を責めるのではなく、適切なケアと対策を講じることの重要性が見えてくるのではないでしょうか。
感情をコントロールする対処法5つ
子どもにヒステリックに怒ってしまう状況を変える鍵は、脳の仕組みを理解した上で具体的な対処法を実践することだと思います。
怒りの感情は一瞬で湧き上がりますよね。
でもいくつかの効果的なテクニックを身につけ、必要に応じて使い分ければ、感情にむやみに振り回されずにコントロールすることができるようになっていくでしょう。
私たちの脳は、特に疲労やストレスが溜まっている時に「サバイバル・モード」に入りやすくなり、理性的な判断ができにくくなります。
そういう時に科学的に裏付けられた方法を実践することで、冷静さを取り戻すことが可能なのです。
子どもに対する怒りの感情を和らげ、穏やかな親子関係を築くために、日常的に取り入れられる具体的な5つの対処法を以下に紹介しますね
怒りを感じた瞬間の深呼吸テクニック
怒りを感じた瞬間に行う深呼吸は、過剰に活性化した「感情脳」を落ち着かせ、理性脳の機能を回復させる最も手軽で効果的な方法です。
具体的には、怒りを感じたらまず「4-7-8呼吸法」を試してみましょう。
鼻から4秒かけて息を吸い、7秒間息を止め、口から8秒かけてゆっくりと吐き出します。
4-7-8呼吸法は副交感神経を刺激し、心拍数や筋緊張を低下させることで感情を落ち着かせる呼吸法の一つ。
怒りを感じると交感神経が優位になり、心拍数が上がり、筋肉が緊張し、「生存モード」に入りやすくなります。
深呼吸は副交感神経を刺激し、この生理的な興奮状態を沈静化させる働きがあるのです。
「また子どもが言うことを聞かない・・・」とイライラが高まった時、その感情に飲み込まれる前に深呼吸を意識的に行うことで、怒りの連鎖を断ち切ることができます。
特に効果的なのは、深呼吸をしながら「今、私は感情的になっている」と自分に言い聞かせることです。
この「感情ラベリング」と呼ばれるテクニックは、感情を言葉にすることで理性脳である前頭前野を活性化し、感情脳の扁桃体の過剰反応を抑制する効果があることが研究で示されています。
朝の忙しい時間帯や、仕事から帰宅した直後など、怒りが爆発しやすい時間帯を事前にチェックしておき、その時間には意識的に深呼吸をしてみましょう。
深呼吸は最も基本的なテクニックですが、継続して実践することで脳の反応パターンを変える強力なツールとなります。
忙しい育児の合間にも簡単に実践できるこの方法、ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。
自分の思いに気づく「一時停止」の習慣
子どもに対して怒りが込み上げてきたとき、その感情をいったん「一時停止」して自分の内側にある本当の思いに気づくことが、感情コントロールの重要なステップです。
具体的には、怒りを感じたら「ちょっと待って」と自分に言い聞かせ、その瞬間の自分の思考や感情を観察する習慣をつけましょう。
この「一時停止」が効果的な理由は、怒りの根底にある本当の感情や思考に気づく機会を与えてくれるから。
例えば、子どもが言うことを聞かないときに湧き上がる怒りの奥には、「私の言うことを聞かないなんて、尊重されていない」という思いや、「状況が思った通りにならない」という不安が隠れていることがよくあります。
「一時停止」のテクニックを実践するには、次の3つのステップを意識しましょう。
- 立ち止まる:
怒りを感じたら、何か言う前に一呼吸おき、自分の感情に名前(感情ラベリング)をつけます。「今、私は怒りを感じている」と認識するだけでも効果があります。
- 自問する:
「なぜこんなに怒りを感じているのだろう?」「この状況で本当に私が不安に思っていることは何だろう?」と自分に問いかけてみましょう。
- 別の視点を探す:
「この状況を別の角度から見るとどうだろう?」「子どもは何を伝えようとしているのだろう?」と、異なる視点を持つ努力をします。
忙しい朝の支度中に子どもがなかなか服を着ないとき、「またモタモタして・・・」と焦りから怒りが湧いてくることがあるかもしれません。
そんなとき一時停止して「私は今、時間に追われて焦っているんだ」と気づくことができれば、その焦りに対処する方法を考えられるようになります。
この習慣を続けることで、自分の感情パターンへの理解が深まり、子どもに対する反応をより意識的に選べるようになるでしょう。
怒りは自然な感情ですが、それに対する反応は選ぶことができるのです。
子どもの脳の発達段階を理解する
子どもの行動に怒りを感じる多くの場面で、実は子どもの脳の発達段階を理解していないことも原因になっています。
子どもの脳、特にセルフコントロールや計画性を司る前頭前野は、20代半ばまで発達途上であり、年齢によって脳の処理能力に大きな違いがあることを知ることが重要です。
例えば、2歳から3歳の子どもが片付けをしないのは、「言うことを聞かない」のではなく、単純に脳がまだその指示を処理し、実行する能力を十分に発達させていないからなのです。
幼児の脳は、複数のステップを含む指示を一度に理解して実行することが困難です。
「どうして何度言ってもできないの?」とイライラしがちな状況でも、子どもの脳の発達段階を知ることで、より適切な対応ができるようになります。
子どもの年齢別の脳の発達と対応のポイントは次のとおりです。
- 2〜3歳:
衝動を抑える能力がまだ弱く、感情のコントロールも未熟です。シンプルな一つの指示を与え、具体的に行動を示すことが効果的。
- 4〜5歳:
少しずつセルフコントロール能力が発達しますが、まだ完全ではありません。視覚的な手がかり(絵や写真)を使うと理解しやすくなります。
- 6〜8歳:
論理的思考が発達し始めますが、抽象的な概念の理解はまだ難しいことがあります。理由を簡潔に説明すると効果的。
- 9〜12歳:
自己認識が発達し、より複雑な思考が可能になりますが、まだ感情のコントロールには波があります。感情を言語化することを助けると効果的。
子どもが「できない」行動の多くは意図的な反抗ではなく、単に脳の発達段階に応じた自然な状態であることも多いのです。
この視点を持つことで、「わざとやっている」と誤解して怒ることが減り、子どもの発達段階に合わせた対応ができるようになるでしょう。
時間管理で怒りの引き金を減らす方法
子育ての怒りは時間的プレッシャーから生じることはよくあります。
特に朝の準備や夕食後の片付けなど、時間に追われている状況で子どもに対する怒りが爆発しやすくなるのは、脳が「危機モード」に入りやすくなるためです。
時間管理を工夫することで、このような怒りの引き金を大幅に減らすことができます。
効果的な時間管理の核は、脳に余裕を持たせることにあります。
常にぎりぎりのスケジュールで動いていると、扁桃体(感情脳)が過敏になり、ちょっとした遅れや予定外の出来事に過剰に反応してしまうんです。
そこで以下の方法を試してみましょう。
- バッファタイムの確保:
朝の準備や外出時には、実際に必要な時間に15〜20分の余裕を加えておきます。この「バッファタイム」があれば、子どもがなかなか靴を履かない、最後になって忘れ物を思い出したなどの状況でも冷静に対応できます。
- 準備の前倒し:前日の夜に明日の準備を済ませておくことで、朝の慌ただしさを軽減できます。子どもの服を前日に選んでおく、お弁当の一部を作り置きしておくなど、少しの工夫が大きな違いを生むでしょう。
- 優先順位の明確化:
すべてを完璧にこなそうとせず、本当に重要なことに焦点を当てます。朝の時間なら「ある程度ご飯を食べて、◯分のバスに乗れるように出発する」など、最低限必要なことを明確にしておきましょう。
- 子どもを巻き込む:
年齢に応じて子どもにも準備の一部を任せることで、親の負担を減らしつつ、子どもの自立心も育てられます。視覚的なチェックリストや時間を示す時計を使うと効果的。
時間管理は脳のストレス反応を軽減するための重要なツールです。
「時間がないから怒ってしまう…」と悩んでいる方も多いかもしれませんが、少しの工夫と準備で、怒りの連鎖を予防することができるのです。
感情日記で気持ちの整理をする習慣
感情日記をつける習慣は、怒りの感情を長期的にコントロールするための効果的な方法です。
感情日記とは、その日に感じた感情、特に子どもに対して強い怒りを感じた場面を記録するもの。
これを続けることで、自分の感情パターンや引き金となる状況を客観的に理解できるようになります。
感情を言葉にして整理することで、次に同じような状況に直面したときに、より冷静に対応できるようになるのです。
感情日記を始めるには、次の3つのポイントを意識すると効果的です。
- 簡潔に記録する:
毎日長々と書く必要はありません。子どもに怒りを感じた場面、その時の状況(時間帯、自分の状態など)、どのような感情だったかを簡潔に記録します。スマートフォンのメモ機能や専用のアプリを活用したり、書くのが面倒なら音声入力を利用したりすると、忙しい合間にも数分で記録できるでしょう。
- パターンを探る:
1週間から2週間分の記録がたまったら、怒りが生じやすい状況やパターンを探ってみましょう。「毎朝8時前後に怒りを感じている」「夫が残業で帰りが遅い日に怒りやすい」など、自分の感情の傾向が見えてくるはずです。
- 戦略を考える:
パターンが見えてきたら、それに対する具体的な対策を考えます。例えば、朝の時間帯に怒りやすいなら、起床時間を少し早めるか、前日の準備を増やすなどの工夫ができるでしょう。
カリフォルニア大学の研究では、感情を言葉にして整理する行為が、脳の感情処理回路に働きかけ、ネガティブな感情の強度を弱めることが確認されています。
多忙な育児の中でも、寝る前の5分間だけでも感情を振り返る時間を持つことで、怒りのコントロールに大きな変化が生まれるはずです。
日記を続けることで、「なぜ怒るのか」という自己理解が深まり、子どもへの反応をより意識的に選べるようになるでしょう。
あなたのインナーチャイルドを癒す方法
子どもに対してヒステリックに怒ってしまう根本的な原因は、あなた自身の子ども時代の傷ついた部分(インナーチャイルド)にあります。
この子ども時代の心の傷を理解し、向き合い、癒していくことで、怒りの連鎖を断ち切ることができるのです。
インナーチャイルドの概念は心理学に基づいたものですが、近年の脳科学研究からも一部支持されています。
幼少期の体験は脳の神経回路として刻み込まれ、子育ての中で無意識に活性化します。
特に厳しく育てられた人は、子どもの行動に対して親から受けた反応パターンを自動的に再現してしまいがち。
しかし、脳の可塑性(変化する能力)を活かして、この古い反応パターンを書き換えることは可能であることが研究から示唆されています。
以下では、インナーチャイルドとの対話の方法から、怒りの連鎖を断ち切るための考え方、そしてヒステリックに怒ってしまった後の修復法まで、実践的なステップを解説していきますね。
子ども時代の自分との対話の始め方
インナーチャイルドとの対話は、自分の中の傷ついた子ども時代の部分と向き合い、コミュニケーションを取ることで癒しを促す効果的な方法。
具体的には、リラックスした状態で自分の幼少期を思い出し、当時の自分と心の中で会話をするイメージワークを行います。
この方法が効果的な理由は、脳内で起きている感情的な反応の元となる記憶にアクセスし、それを再処理する機会を与えるからです。
子どもに対して過剰に怒ってしまうとき、実はあなたの脳は過去の体験と現在の状況を無意識に結びつけており、「また否定される」「どうせ愛されない」といった幼少期の恐れが活性化しているのです。
「そんな幼い頃のことが今の私に影響しているなんて信じられない…」と思う人もいるかもしれません。
しかし、脳の情動記憶システムは非常に強力で、特に強い感情を伴った体験は脳に深く刻み込まれるんです。
インナーチャイルドとの対話を始めるには、以下のステップを試してみましょう。
- 安全な時間と場所を確保する:
子どもが寝た後や、自分だけの時間に、静かで落ち着ける場所を選びます。10~15分程度の短い時間でもいいので、無理のない範囲で取り組みましょう。
- リラックスした状態を作る:
深い呼吸を数回繰り返し、体の緊張を緩めます。目を閉じて、自分が安全で守られていると感じられる場所をイメージするのも効果的です。
- 幼い頃の自分をイメージする:
特に傷ついた体験や、怒られた経験がある年齢の自分をイメージしてみましょう。「どんな服を着ていたか」「どんな表情をしていたか」「周りにはどんなものがあったのか」など、具体的に思い浮かべると効果的です。
- 優しく話しかける:
その幼い自分に対して、今の大人の自分が優しく共感の言葉をかけます。「大丈夫だよ」「あなたは十分愛される価値がある」など、当時欲しかった言葉をかけてあげましょう。
脳科学研究によれば、このような想像上の対話であっても、脳は実際の体験と類似した神経回路を活性化させます。
インナーチャイルドとの対話は、単なる過去の振り返りではなく、現在のあなたの感情反応を変えるための重要なステップなのです。
怒りの連鎖を断ち切るための考え方
怒りの連鎖が生じる理由は、私たちが無意識のうちに親から受け継いだ行動パターンを繰り返してしまうからです。
「こんな親にはならないと思っていたのに…」と自分自身に失望している方も多いでしょう。
しかし、このパターンは脳に刻まれた反射的な反応であり、意識的に変えることが可能です。
怒りの連鎖を断ち切るための考え方を、以下に具体的に紹介します。
- 「私は選べる」という認識:
怒りを感じても、怒りに任せて行動するか否かは選択できます。まずは「今、怒りを感じているが、反応する方法は選べる」と自分に言い聞かせましょう。この一瞬の間(スペース)を作ることが、連鎖を断ち切る第一歩です。
- 「子育ての目的」を明確にする:
あなたが本当に大切にしたい子育ての価値観は何でしょうか。「子どもの自己肯定感を育てたい」「安心感を与えたい」など、自分の核となる価値観を書き出してみましょう。怒りが湧いたとき、この価値観に立ち返ることで、衝動的な反応を抑えられます。
- 「完璧な親」という幻想を手放す:
誰もが完璧な親であることはできません。子育ての中で失敗や後悔は誰にでもあるものです。「良い親」と「悪い親」の2択ではなく、「ほどほどに良い親」を目指す考え方に切り替えましょう。
あなた自身が怒りの連鎖を断ち切る努力をすることは、子どもの将来の感情コントロール能力を育むことにもつながるのです。
「私は親から受け継いだ怒りのパターンの犠牲者ではなく、自分らしい新しい子育てのあり方を選択できる」というマインドセットを持つことで、怒りの連鎖を断ち切り、より穏やかな親子関係を築くことができるでしょう。
ヒステリックな対応をしてしまった後の修復法
どれだけ意識していても、時にはヒステリックに怒ってしまうことがあります。
そんなときこそ、修復の機会と捉え、子どもとの関係を癒し、自分自身も成長できる貴重な機会です。
修復とは単なる謝罪ではなく、関係を再構築するための重要なプロセスなのです。
修復が重要な理由は、脳科学的にも説明できます。
子どもが親からの怒りを体験すると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、脳の情緒的な安全感が損なわれます。
しかし、適切な修復が行われることで、オキシトシンの分泌が促され、安全感が回復するのです。
効果的な修復法には、以下のステップがあります。
- 自分の感情を落ち着かせる:
まずは自分自身の感情が落ち着くまで時間を取りましょう。深呼吸をしたり、一旦その場を離れたりして、冷静さを取り戻します。「私がこれ以上怒りながら話しても建設的ではない」と認識することが大切です。
- 適切なタイミングで謝罪する:
冷静になったら、シンプルに謝罪しましょう。「さっきママ/パパが怒りすぎてごめんね。あなたのせいではなく、ママ/パパの感情のコントロールができなかったんだよ」と伝えます。長い説明や言い訳は不要です。
- 子どもの気持ちを受け止める:
謝罪した後は、子どもの感情を受け止める時間を作りましょう。「怖かったよね」「悲しかったよね」など、子どもの気持ちを言葉にして共感します。このとき子どもの反応を急かさず、見守る姿勢が大切です。
- 一緒に解決策を考える:
特に年齢の高い子どもの場合は、「次に同じような状況になったとき、どうしたらいいと思う?」と一緒に解決策を考えることで、学びの機会にできます。この対話が、子どもの問題解決能力と感情コントロール能力を育てます。
子どもの脳は非常に柔軟で、たとえ怒りの経験をしても、その後の適切な修復によって回復する力を持っています。
カリフォルニア大学の研究によれば、親子の小さな軋轢は避けられないものですが、その後の修復が適切に行われれば、むしろ子どもの回復力(レジリエンス)を育む機会になるとされています。
修復の過程は、子どもとの信頼関係を深めるだけでなく、あなた自身も成長するための貴重な学びの機会となるでしょう。
完璧を目指すのではなく、誠実に修復する姿勢を持つことが、健全な親子関係を築くベースとなります。
まとめ:怒りの連鎖を断ち切り、心の平和を取り戻す
今回は、子どもに対してヒステリックに怒ってしまい自己嫌悪に陥っている方に向けて、
- 怒りが生じる脳のメカニズム
- 感情をコントロールするための実践的な方法
- インナーチャイルドを癒して根本から変わる方法
上記について、私自身の子育て体験と脳科学の知見を交えながらお話してきました。
子どもに対してヒステリックに怒ってしまうのは、あなたの脳が「サバイバル・モード」に入っているから。
特に忙しい朝の時間や疲れがたまった夕方など、ストレスが高まる状況では、脳の扁桃体が活性化して理性的な判断力が低下してしまうのです。
「また怒ってしまった…」と自分を責める気持ちもわかりますが、これは脳の自然な反応であり、あなたが「悪い親」なのではありません。
インナーチャイルドを癒す過程は、時に勇気のいる旅かもしれません。
でも、あなたが自分自身と向き合い癒すことができれば、子どもたちにも同じような安心感と自己肯定感を与えられるようになるでしょう。
親から子へと続いていた怒りの連鎖を、あなたの代で断ち切ることができるのです!
まずは今日、怒りを感じたときに「深呼吸」と「一時停止」を意識してみてください。
そして夜、子どもが寝た後に少しだけでも幼い頃の自分に思いを馳せる時間を持ってみましょう。
小さな一歩の積み重ねが、あなたと子どもの人生を大きく変えていくことを心から応援しています。
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