【疲れるとイライラする】原因と対処策

 

疲れると、イライラしませんか。

 

いつもはスルー出来る子どもや夫の態度にイライラ。

言い方がきつくなる。

被害妄想がはげしくなる。

 

疲れると感情的になって、行動や態度に一貫性がなくなるかもしれません。

例えば、元気なときなら、「いいよ~」と許可していたことを、イライラすると「ダメ!」と制限したくなるかもしれません。

なんであの時、あんなことを言ってしまったんだろう、と冷静になってから後悔することも多いでしょう。

 

でははなぜ、疲れるとイライラしやすくなるのでしょうか。

 

メカニズムを探りつつ、対処策をお伝えしたいと思います。

 

疲れとは

 

 

日本疲労学会では、「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義しています。

 

たくさん肉体を動かしたり、人間関係やPCでの作業にストレスがあったり、病気にかかったときは、頭がボーっとしたり、注意力が散漫になったり、目の疲れ・肩こり腰痛などの不快感があって、休みたいと思いますよね。

 

疲れは、痛みや発熱などと同じように、それ以上の活動をもうしない方がいい!と体が警告しているサインなのです。

 

なぜ疲れるとイライラするのか エゴの登場

 

 

人は疲れると、休みたくなります。

でも、疲れてるからと言ってそう簡単に休めない人がほとんどではないでしょうか。

疲れたから回復するまでゆっくり休めたら、イライラもしなさそうですよね。

 

体はそれ以上の活動をしない方がいい、と疲れを感じさせることで警告している、でも休めずに活動し続けないといけない。

例えば、下の子のお世話でほとんど寝れてなくて疲れてるのに、上の子の幼稚園に行くための朝の支度が相変わらず遅い。

 

もっと余裕があるときなら、待ってあげられるのに、疲れているので余裕がなくて、イライラしてくる。

 

(なんで私ばっかりこんなに大変な目にあうの?)

(おねえちゃんなんだから、もっと私のことを考えて動いてくれたっていいじゃない?!)

(ほんとにひどい子!)

 

子育て中だと、そんなパターンも多いかもしれません。

 

大変なのに、もっと大変な目にあわされている。

それはあたかも攻撃を受けているよう。

 

そんな風に感じると自己防衛本能であるエゴが反応し始めます。

 

 

エゴとは

 

 

エゴと聞いて、ネガティブに感じる人は多いのではないでしょうか。

人の迷惑になることを気にしない自分勝手な人、という意味で、エゴ丸出しな人、と表現したりもします。

 

しかし、エゴの本来の役割は、自分の肉体を守ることで、自己防衛本能とも言えます。

 

エゴは肉体を守り維持するために、変化を嫌い現状を維持しようとしたり、物理的心理的攻撃をキャッチして攻撃されないように自分を大きく見せたり小さく見せたりします。

 

子どもの支度が遅いのは、自分を困らせるためにわざとやっているのではないとどこかでわかっていつつも、疲れているので、【自分を困らせる=攻撃されている】と感じやすくなります。

疲れていて余裕がないと、余計にエゴ=自分になりやすくなります。

そしてエゴは感情を刺激し、イライラしてくるのです。

 

子ども相手だと自分より弱いものなので、エゴは自分を大きく見せて、攻撃をやめさせようと、子どもをコントロールしようとします。

イライラのエネルギーは相手を攻撃してコントロールするのにピッタリです。

 

「そんなにちんたらしたら、お母さん、あなたのことどんどん嫌いになるから」

「ママに全然やさしくないのね、おねえちゃんなのにがっかり」

「早く食べちゃってよ!食べないと全部捨てるからね!」

 

余談ですが、自分を小さく見せる方向にエゴが働くときは、不安や怖れなどの感情が刺激されやすいです。

例えば、リーダー気質のママ友に子どものしつけのことで文句を言われたとします。

相手が強いと無意識に判断すると、(え、そんなことで文句言われるなんて筋違いじゃ・・・)とどこかで思っていても、(いやいや私がいけないんだ)と必要以上に縮こまることでエゴは身の安全を守ろうとします。

 

エゴにインナーチャイルドが加担する

 

 

攻撃されたとエゴが反応すると同時に、インナーチャイルドが刺激されることもよくあります。

 

例えば、自分も小さいころ、朝の支度が遅くて母親に感情的に怒られていたとします。

そしてその時の自分の悲しみや怒りが愛されていないという想いと共に圧縮され、インナーチャイルド(心の傷)となっていたとします。

目の前の、あの時の自分と同じように朝の支度が遅い子どもを見せられて、インナーチャイルドが刺激され、悲しみや怒りが無意識に湧き上がり揺れ続け、自分で自分がコントロールできなくなるのです。

そして、自分=エゴにますますなりやすくなります。

 

疲れると、イライラしやすい、そしてイライラが爆発しやすい、という人は、インナーチャイルドが関わっている可能性が高いです。

 

 

エゴとうまく付き合おう

 

 

では疲れているとイライラすることに対し、対処法はないのでしょうか。

 

一番の対処法は、疲れがとれるまで休むことです。

でもそうは言ってられないのが、現代社会に生きる私たちのサガ!

昔よりずっと便利になって休む時間も取れるはずなのに、なんだか忙しい。

ついアイパッドやスマホを見てしまったりなど、休もうとしても休まらないことが多いと思います。

 

では実際、疲れていて誰かの行動や言動にイライラしてきた場合はどう対処すればよいでしょうか。

 

その時はます、エゴが自分を守ろうとしている、ということを理解しようとしてください。

エゴは邪険にされると、ますます存在感を増すという作用があります。

反対に理解されてると感じるとエゴは大人しくなります。

 

理解の例: 

(エゴは肉体が疲れているから、これ以上肉体に負荷をかけないように、攻撃してくるような相手に対し、こっちから攻撃してやろうとしてくれているんだな)

 

さらには、なぜ相手の言動や行動を攻撃と受け取ってしまったのか、自分の本音に意識を向けてみましょう。

 

(私はこんなに疲れているのに、ひどい)

(もっと理解して欲しい)

(なんで誰もわかってくれないの?)

 

イライラの裏には怖れや不安が隠れているかもしれません。

それらの感情をひとつひとつ感じるようにしましょう。

 

またインナーチャイルドに対しても同時に理解しようとすると、さらに効果的です。

 

インナーチャイルドの癒し方についてはこちら。

 

 

まとめ

 

 

エゴを理解しようとしていると、エゴは安心し、必要以上に出てこなくなります。

でもエゴはなくなればいいものではありません。

肉体が本当に危険なときに、正常に役割を発揮してもらうのは必要なことです。

 

現代社会に生きていると、命の危険は非常に少なくなった分、人間関係のトラブルなど、本来肉体に危険を及ぼすものではないことに関しても、過剰に働くようになってしまっています。

それをエゴの肥大といいます。

隣人同士のトラブルが殺人事件に発展する、など、肥大したエゴによるものかもしれまえん。

 

自分の中にある過剰なエゴの働きを理解し、正常化させようとすることは、自分の周りの平和だけでなく、世の中の平和につながることだと思います。

 

エゴ、というキーワードでご自身を見つめてみてくださいね。

 

 

参考図書: 「感情の取扱説明書」 谷孝祐著 みらいパブリッシング

 

 

 

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