
「また怒鳴ってしまった」
「子どもの心に傷をつけてしまったかもしれない」
子どもの寝顔を見ながら、そんな不安で胸が苦しくなること、ありますよね。
- 怒鳴ることって、子どもにどれくらい悪いんだろう
- 脳の発達に影響するって本当?
- もう取り返しがつかないのかな
- トラウマになってしまうのかな
こういった不安、よくわかります。
私は『インナーチャイルド』を扱うヒーラーとして15年以上、子育てに悩むお母さんたちと向き合ってきましたが、「子どもへの影響が心配」という声は本当によく聞きます。
この記事では、怒鳴ることが子どもに与える影響について、正直にお伝えします。
でも、決してあなたを責めるためではありません。
影響を知ることで、適切な対処ができるようになるからです。
この記事では、
- 怒鳴ることが子どもに与える具体的な影響
- 年齢別の影響の違い
- 「取り返しがつかない」という不安への答え
- 怒鳴ってしまった後の5つのフォロー法
- 影響を最小限にする日常の関わり方
これらを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
不安になるための記事ではなく、希望を持てる記事にしたいと思っています。
この記事の目次
まず知っておいてほしいこと:子どもの回復力
影響についてお伝えする前に、最初に知っておいてほしいことがあります。
子どもには「レジリエンス(回復力)」がある
レジリエンスとは、困難な状況から回復する力のこと。
子どもは、私たちが思っている以上に回復力が高いんです。
一度や二度怒鳴られたからといって、すぐにトラウマになるわけではありません。
大切なのは「普段の関係性」
影響の大きさを決めるのは、怒鳴る回数だけではないんです。
もっと大切なのは、普段の親子関係。
例えば:
ケースA:怒鳴る頻度が高い + 普段も冷たい → 影響が大きい
ケースB:たまに怒鳴ってしまう + 普段は愛情豊か → 影響は最小限
普段から:
- 愛情を示している
- 子どもの話を聞いている
- スキンシップを取っている
- 子どもを認めている
こういった関係性があれば、たまに怒鳴ってしまっても、子どもは「お母さんは疲れていたんだな」と理解できる可能性は高いです。
怒鳴ることが子どもの脳に与える影響
まず、脳への影響についてお伝えします。
脳の発達段階を理解する
子どもの脳は、大人と違ってまだ発達途中です。
特に重要なのが、以下の3つの部分です。
<扁桃体(へんとうたい)>
- 感情を司る部分
- 恐怖や不安を感じる部分
- 生まれた時からほぼ完成している
<海馬(かいば)>
- 記憶を司る部分
- ストレスに弱い
<前頭前野(ぜんとうぜんや)>
- 理性的な判断を司る部分
- 感情をコントロールする部分
- 20代前半まで発達を続ける
子どもは、感情を感じる部分(扁桃体)は発達しているのに、それをコントロールする部分(前頭前野)はまだ未熟。
だから、感情的になりやすいんです。
繰り返し怒鳴られると脳に何が起こるか
<影響1:ストレスホルモンの過剰分泌>
怒鳴られると、子どもの体内では「コルチゾール」というストレスホルモンが大量に分泌されます。
一時的なら問題ありませんが、繰り返されると、
- 脳の発達に影響が出る可能性
- 免疫力の低下
- 睡眠障害
こういった問題につながることがあります。
<影響2:海馬への影響>
慢性的に強いストレスを受けると、海馬(記憶を司る部分)が萎縮する可能性が研究で示されています。
結果として:
- 学習能力への影響
- 記憶力の低下
ただし、これは「長期間、継続的に」怒鳴られた場合です。
影響3:前頭前野の発達への影響
前頭前野(感情コントロールを司る部分)の発達に影響が出る可能性があります。
結果として:
- 感情のコントロールが苦手になる
- 衝動的な行動が増える
- 集中力の低下
でも、脳は変わる(可塑性)
ここまで読んで不安になった方へ、大切なことをお伝えします。
脳には「可塑性(かそせい)」があるんです。
可塑性とは、環境によって変化する性質のこと。
つまり、適切な環境とケアがあれば、脳は回復し、発達していくということ。
今から関わり方を変えれば、脳への影響は最小限にできます。
怒鳴ることが子どもの心に与える影響
次に、心への影響を見ていきましょう。
影響1:自己肯定感の低下
大好きなお母さん・お父さんから怒鳴られることで、子どもはこんな風に感じてしまうことがあります。
「自分は悪い子なんだ」
「愛される価値がないのかも」
「何をやってもダメなんだ」
これが繰り返されると、自己肯定感(自分を大切に思う気持ち)が低下してしまいます。
自己肯定感が低いと:
- 自信が持てない
- 人の顔色を伺うようになる
- 挑戦することを恐れる
- 失敗を過度に恐れる
- 自分の意見が言えない
影響2:安心感の喪失
家庭は、子どもにとって「安全基地」。
でも、繰り返し怒鳴られると、
「家にいても安心できない」
「いつ怒られるかわからない」
そんな風に感じてしまいます。
安心感がないと:
- 常に緊張している
- リラックスできない
- 外の世界に挑戦する勇気が持てない
影響3:感情表現の困難
怒鳴られることで、子どもは「感情を出すのは悪いこと」と学んでしまうことがあります。
結果として:
- 自分の気持ちを表現できない
- 感情を抑え込む
- 自分の本音がわからなくなる
影響4:親子関係への影響
繰り返し怒鳴られると、
- 親を信頼できなくなる
- 本音を話せなくなる
- 悩みを相談できなくなる
- 親から距離を取るようになる
特に思春期になると、この影響が顕著に現れることがあります。
影響5:人間関係への影響
家庭でのコミュニケーションパターンは、将来の人間関係にも影響します。
- 怒鳴られて育った子は、自分も怒鳴りやすくなる
- または、逆に自分の意見を言えなくなる
- 対等な関係を築くのが難しくなる
怒鳴ることが将来に与える可能性のある影響
長期的に見ると、こんな影響が出る可能性があります。
影響1:世代間連鎖
怒鳴られて育った子どもは、自分が親になった時、同じように怒鳴ってしまう可能性が高くなります。
これが「世代間連鎖」。
ただし、これは必ずそうなるわけではありません。
気づいて扱い、癒すことで、連鎖は断ち切れます。
影響2:メンタルヘルスへの影響
慢性的に怒鳴られて育つと、大人になってから:
- 不安障害
- うつ病
- 自己肯定感の低さ
- 人間関係の困難
こういった問題を抱える可能性が高くなることが研究で示されています。
影響3:ストレス対処能力
子ども時代に安心できる環境で育たないと、ストレスへの対処能力が育ちにくくなります。
結果として:
- ストレスに弱くなる
- 困難に立ち向かう力が弱くなる
- 逃避的な行動を取りやすくなる
年齢別の影響の違いと特徴
実は、影響の現れ方は年齢によって違います。
0〜2歳(乳児期)
この時期の特徴:
- 言葉の意味はまだ理解していない
- でも、声のトーンや表情から感情を読み取る
- 愛着形成の重要な時期
現れやすい影響:
- 泣きやすくなる
- 寝つきが悪くなる
- 親から離れられなくなる(または、逆に距離を取る)
- 表情が乏しくなる
フォローのポイント:
- たくさん抱っこする
- 穏やかな声で話しかける
- 笑顔で接する時間を増やす
3〜5歳(幼児期)
この時期の特徴:
- 言葉の意味を理解し始める
- でも、感情のコントロールはまだ未熟
- 自我が芽生える時期
現れやすい影響:
- 癇癪が増える
- おねしょが再発する
- 爪を噛む、髪を抜くなどの行動
- 「お母さん嫌い」と言うようになる
- 逆に過度に良い子になろうとする
フォローのポイント:
- 感情を言葉で表現する手伝いをする
- 「怖かったね」と気持ちを受け止める
- 絵本や遊びを通してコミュニケーション
6〜12歳(学童期)
この時期の特徴:
- 論理的な思考が発達する
- 親以外の人間関係が広がる
- 自己評価が形成される時期
現れやすい影響:
- 学校での問題行動
- 友達とのトラブル
- 成績の低下
- 自信喪失
- 嘘をつくようになる
- 反抗的な態度
フォローのポイント:
- 対等に話を聞く
- 謝罪は誠実に
- 子どもの意見を尊重する
- 一緒に過ごす時間を大切にする
13歳以上(思春期)
この時期の特徴:
- 自我が確立していく
- 親から精神的に自立しようとする
- 感情の起伏が激しい
現れやすい影響:
- 親との会話を避ける
- 部屋に閉じこもる
- 家出を考える
- 自傷行為
- 非行
- 摂食障害
フォローのポイント:
- 距離を取りつつ見守る
- 話したい時にはしっかり聞く
- 一人の人間として尊重する
- 必要に応じて専門家のサポート
「もう取り返しがつかない?」という不安への答え
「今まで何度も怒鳴ってきてしまった…」
「もう取り返しがつかないのかな…」
そんな不安、よくわかります。
でも、はっきりとお伝えします。
大丈夫です。
今からでも、十分に修復できます。
なぜ修復できるのか
<理由1:子どもの回復力(レジリエンス)>
子どもは、私たちが思っている以上に回復力が高いんです。
適切な環境とケアがあれば、傷は癒えていきます。
<理由2:脳の可塑性>
脳は、環境によって変化します。
今から愛情ある関わりを増やせば、脳は良い方向に発達していきます。
<理由3:「今」を変えられる>
過去は変えられません。
でも、今とこれからは変えられます。
子どもにとって大切なのは、「過去に怒鳴られたこと」ではなく、「今、どう関わってもらえているか」なんです。
重要なのは「完璧」ではなく「修復」
完璧な親なんていません。
怒鳴ってしまうことも、人間だからあります。
大切なのは:
- 怒鳴ってしまった後、ちゃんと謝る
- 普段から愛情を示す
- 少しずつでも、怒鳴る回数を減らしていく
この3つができれば、十分です。
「修復の経験」が子どもを強くする
実は、親が失敗しても、それを修復する姿を見ることは、子どもにとって大切な学びになります。
子どもは学びます:
- 人は間違いを犯すこと
- でも、謝って修復できること
- 完璧でなくても愛されること
- 失敗から学んで成長できること
だから、怒鳴ってしまったこと自体を過度に責める必要はないんです。
大切なのは、その後の対応です。
怒鳴ってしまった後の5つのフォロー法
では、具体的にどうフォローすればいいのか。
15年以上の経験から、効果的な5つの方法をお伝えします。
フォロー法1:誠実に謝る
タイミング: 自分が落ち着いたら、できるだけ早く
<やり方>
1. 子どもの目線に合わせる
しゃがんだり、座ったりして、目の高さを合わせる
2. 目を見て話す
真剣さが伝わります
3. 自分の行動を認める
「さっきは大きな声で怒鳴ってしまって、ごめんね」
ここで大切なのは、「あなたが○○したから」と子どもを責めないこと
4. 子どもの気持ちを理解していることを伝える
「怖かったよね」
「悲しかったよね」
「びっくりしたよね」
5. 愛情を再確認する
「でも、○○ちゃんのこと、大好きだよ」
「怒鳴ってしまったけれど、あなたを愛していることは変わらないからね」
6. 本当に伝えたかったことを改めて話す
「お母さんは、○○してほしかったんだ」 穏やかな声で、改めて伝える
<NGな謝り方>
❌ 「あなたが○○するから、お母さん怒鳴っちゃったじゃない」
❌ 立ったまま、上から謝る
❌ 「ごめん」だけで終わる
フォロー法2:その日は特別に愛情を示す
怒鳴ってしまった日の夜は、特別に愛情を示しましょう。
<具体的には>
- いつもより長めに絵本を読む
- 一緒にお風呂に入る
- 寝る前にたくさん抱きしめる
- 「今日は怖い思いをさせてごめんね」と改めて伝える
- 子どもの好きなことを一緒にする
スキンシップは、言葉以上に安心感を与えます。
フォロー法3:数日間は様子を観察してケア
怒鳴られた後、子どもに一時的な変化が見られることがあります。
<よくある変化>
- 食欲がない
- 夜泣きをする
- 悪夢を見る
- 甘えが強くなる
- 逆に距離を置こうとする
- 癇癪が増える
- おねしょが再発する
<対応>
これらは一時的な反応なので、過度に心配する必要はありません。
でも、普段よりも:
- 愛情表現を増やす
- スキンシップを多めに
- 子どもの話をしっかり聞く
- 安心感を与える
こういったケアを意識してください。
<もし変化が2週間以上続く場合>
専門家(小児科医、カウンセラーなど)に相談することも考えましょう。
フォロー法4:感情を言葉にする手伝いをする
怒鳴られた時、子どもは混乱しています。
「何が起きたのか」「自分は何を感じているのか」がわからない状態。
だから、感情を言葉にする手伝いをしてあげましょう。
<やり方>
「さっき、お母さんが大きな声を出した時、どんな気持ちだった?」
子どもが答えられなかったら、
「怖かった?」 「悲しかった?」 「びっくりした?」
選択肢を出してあげると、子どもは答えやすくなります。
そして、子どもが答えたら、
「そうだったんだね、怖かったんだね」
しっかり受け止めてあげてください。
これを繰り返すことで、子どもは自分の感情を理解し、表現する力を育てていきます。
フォロー法5:ポジティブな記憶で上書きする
寝る前の時間は、心のケアにとって特に重要です。
<やり方>
寝る前に、今日あった楽しいことや嬉しいことを一緒に思い出してみましょう。
「今日は○○が上手にできたね」
「一緒に遊んで楽しかったね」
「○○の時の笑顔が素敵だったよ」
ポジティブな記憶で一日を締めくくることで、怒鳴られた記憶を上書きしていきます。
そして、明日への期待感を持たせてあげることも効果的。
「明日はどんな楽しいことをしようか?」
影響を最小限にする日常の関わり方
怒鳴ってしまった後のフォローも大切ですが、もっと大切なのは普段の関わり方。
ここでは、影響を最小限にするための日常的なアプローチをお伝えします。
関わり方1:愛情の「貯金」を増やす
子どもの心には、「愛情の貯金箱」があると思ってください。
普段から愛情をたくさん注いでいれば、たまに怒鳴ってしまっても、貯金があるから大丈夫。
でも、貯金がないと、少し怒鳴っただけでも大きな影響が出てしまいます。
<愛情の貯金を増やす方法>
- 毎日ハグをする
- 「大好き」「愛してる」と言葉で伝える
- 子どもの話をしっかり聞く
- 一緒に笑う時間を作る
- 子どもの良いところを見つけて褒める
- 一緒に何かをする時間を大切にする
関わり方2:「見守っているよ」のメッセージ
子どもが安心できるのは、「いつでも見守ってもらえている」と感じる時。
<具体的には>
- 子どもが遊んでいる時、時々目を合わせて微笑む
- 「お母さんはここにいるよ」という安心感を与える
- 子どもが話しかけてきた時、できるだけ手を止めて聞く
- 「あなたのことをちゃんと見ているよ」というメッセージを送る
関わり方3:肯定的な言葉を増やす
怒鳴ることの影響を減らすには、普段から肯定的な言葉をたくさんかけることが大切。
<心理学の研究では>
ネガティブな言葉1つに対して、ポジティブな言葉が5つ以上必要と言われています。
<肯定的な言葉の例>
- 「ありがとう」
- 「よく頑張ったね」
- 「嬉しいよ」
- 「助かったよ」
- 「すごいね」
- 「あなたがいてくれて幸せ」
関わり方4:失敗を許す
怒鳴られて育った親は、つい完璧を求めてしまいがち。
でも、子どもは失敗しながら学んでいくもの。
<大切な姿勢>
- 「失敗してもいいよ」
- 「次はどうすればいいか、一緒に考えよう」
- 「お母さんも失敗することあるよ」
この姿勢を示すことで、子どもは安心して挑戦できるようになります。
関わり方5:子どもの感情を受け止める
子どもが泣いている時、怒っている時、悲しんでいる時。
否定せず、まず受け止めることが大切。
NG: 「泣かないの」 「そんなことで怒らないで」 「悲しむことないでしょ」
OK: 「悲しいんだね」 「怒りたくなったんだね」 「嫌だったんだね」
感情を受け止めてもらえる経験が、子どもの心を育てます。
関わり方6:一貫性のある対応
今日はOKだったのに、明日はダメ。
こういった一貫性のない対応は、子どもを混乱させます。
<大切なこと>
- ルールは明確に
- 親の機嫌でルールを変えない
- できるだけ一貫した対応を
一貫性があると、子どもは安心します。
まとめ:今からできることがある
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
影響はあるけど、修復できる
怒鳴ることには、確かに影響があります。
でも、それは「取り返しがつかない」わけではありません。
今からでも、十分に修復できます。
大切なのは「完璧」じゃなく「修復」
完璧な親なんていません。
怒鳴ってしまうこともあります。
でも、それを修復する姿を見せることが、子どもにとって大切な学びになります。
今日からできること
この記事でお伝えした中で、一つだけでもいいので、今日から試してみてください。
- 怒鳴ってしまったら、誠実に謝る
- 毎日ハグをする
- 「大好き」と言葉で伝える
- 子どもの話をしっかり聞く
- 肯定的な言葉を増やす
小さな一歩が、大きな変化につながります。
一人で抱え込まないで
「自分一人では難しい」と感じたら、専門家のサポートを受けることも大切な選択です。
私も、『インナーチャイルド』を扱うヒーリングや感情カウンセリングを通して、たくさんのお母さんたちをサポートしてきました。
一人で抱え込まず、誰かに頼ることは、決して弱さではありません。
むしろ強さです。
最後に
あなたが「子どもへの影響が心配」と思っているその気持ちこそが、あなたが子どもを大切に思っている証拠。
子どもは、あなたが思っている以上に強くて、回復力があります。
そして、あなたの愛情を、ちゃんと感じています。
今から、一緒に変わっていきましょう。
あなたとお子さんの未来が、穏やかで暖かいものになることを、心から願っています。
八神詠子(やがみえいこ)
インナーチャイルドを扱うヒーラー・感情カウンセラー
沖縄在住・15年以上の経験
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