
「子育てがうまくいかない」と悩むことはないでしょうか。
子どもが生まれる前は、頑張ればなんとかなっていたのに、子どもが生まれてからはいくら頑張っても頑張っても、なぜか空回り。
こんなはずじゃなかったのに・・・。
ここでは、子育てがうまくいかない、と悩む人の心理的傾向と、悩みを軽くするための対処法をお伝えしたいと思います。
この記事の目次
子育てがうまくいかないと悩む人の3つの心理的傾向
子育てのあちこちで、うまくいかない、と感じることはよくあることかもしれません。
でも常に、子育てがうまくいかない、と感じ悩んでいるようなら、それはある心理的傾向を持っている可能性が大きいです。
うまくいかない、と悩む裏にある、3つの心理的傾向を探ってみます。
理想を追い求めすぎる
理想の母親像や理想の子育てを追い求めてしまうことは、子育てをうまくいかないと感じさせる原因のひとつです。
日本社会では、母親は夫や子どものことを優先して考え、家族の幸せのために生きる人、というような、幻想が根底にあるように思います。
自分では気づいていなくても、日本に住んでいる以上無意識にその幻想の影響を受け、自分なりの理想の母親像を抱いている可能性も高いです。
また、こんな風に育てられて嫌だったから自分はもっといい子育てをするんだ!と子どもが生まれる前から理想を高く持ちすぎることもあるでしょう。
現代は核家族化が進み、子どもが生まれるまで子育てに直接関わる機会がない人がほとんどなので、現実からかけ離れてた理想を簡単に持ててしまいます。
理想を目指すことは必ずしも悪いことではありません。
理想を目指して日々努力して、理想が現実になる達成感は素晴らしいものでしょう。
しかし現実の子育ては理想とは程遠いところにありがちです。
理想を追い求めていると、理想の母親になれない自分が悪い、理想の母親にならせてくれない子どもが悪い、と自分や子どもを責めてしまったりします。
〇〇すべき、〇〇でなければならない、などマイルールが多い
ご飯は残さず食べるべき
ドアを開けたら閉めるべき
子どもは8時までには寝るべき
など、
マイルールが多ければ多いほど、うまくいかない、と感じる傾向が強いです。
子どもが小さいほど、脳の発達上子どもは目の前のことや今の自分の欲求にしか意識が向きません。
また女の子に比べて男の子は、今この瞬間のことに集中しがちです。
そんな子どもをマイルールに従わせようと頑張っても、報われないことも多いです。
まるで、親のマイルールをぶち破るために生まれてきたような子もいます。
マイルールに従わせようとして、最後は感情的に怒鳴って無理やり言うことをきかせる、ということも頻繁に起こるでしょう。
人と比べてしまう
「あの人の方がずっとうまく子育てしてそう」などと、周りと自分を比べてしまうことも、子育てがうまくいかない、と感じさせる心理的傾向のひとつでしょう。
特に今はSNSなどで、子育てのHAPPYな部分・ステキな部分だけを切り取って発信する人が多く、自分だけがうまくやれないという錯覚に簡単に陥ることができます。
そんなネガティブな気持ちになるならSNSなど見なければいい、と思って一時的にやめてみても、いつの間にかまたキラキラママの投稿をチェックして落ち込んでいる、という場合は、人と比べてしまう傾向が強いかもしれません。
また子どもの成長具合や、いい子度合い、成績などを他の子と比べてしまい、私がうまく子育てできないせいで子どもが劣ってしまうのでは、と悩むこともあるでしょう。
やたらと子どもの比べ合いをするママ友がいて、つい引っ張られて気にしてしまう、ということもあるかもしれません。
子育てがうまくいかない悩みへの対処法
子育てがうまくいかない、と悩むことで、ストレスがたまるようなら、その悩みを軽くした方がいいでしょう。
しかし、子育てがうまくいかない、と悩み、それを解決したいと願うとき、子どもさえ変わってくれればうまくいくのに、と思ってしまいがちです。
子どもがもっと聞き分けがよかったら、もっといい子だったら、もっとやることをやってくれたら・・・
でも、子どもが変わっても、うまくいかない部分にフォーカスし続け、結局いつまでたっても「うまくいかない」で、子育てに失敗した、となる可能性もあります。
でも3つの心理的傾向を和らげることができたら、自分や子どもがどうであっても、うまくいかない感覚が薄れ、代わりにうまくいってる感覚が芽生えてきます。
それがいずれ、子どもや自分への信頼感につながっていくことでしょう。
では、以下に3つの心理的傾向を和らげる対処法をお伝えします。
理想を和らげよう
理想を持つことが悪いわけではありません。
ただ、今の状態とあまりにかけ離れた理想や、現実的ではない夢のような理想は自分を苦しめるでしょう。
ここでは自分にフィットした程よい理想を探るためのワークを紹介します。
① 「こんな母親でありたい」という理想を、できるだけ多く書き出す。
例:「感情的に怒らない母親」「子どもの言うことをよく聞く母親」「家事をきちんとする母親」「いつもおしゃれな母親」「子どもをきちんと導ける母親」「いつも余裕がある母親」
② 書き出していったもの一つ一つに対し、そうじゃなくてもOKと心の中で思ってみる
例:「怒らない母親でありたい」 → 「怒る母親でOK」
「家事をきちんとする母親でありたい」 → 「家事をきちんとしない母親でOK」
もし②をやって「怒る母親でOKなんて全然思えない!」と強く反発する気持ちが出てきたら、「怒らない母親でありたい」というのは、あなたの中で強い理想と考えられます。
③ 強い理想をピックアップして書き出す
④ その強い理想の母親像と今の自分との距離感を感じてみてください。
すぐ近い距離にあるようならそのままでも大丈夫です。
しかしもし子どもが成人するまでの間にたどり着けるような距離感でないようなら、⑤へ。
⑤ 自分とすぐ近い距離にある理想の母親をイメージしてみましょう。
例:「怒らない母親でありたい」 → 「1日1回程度怒るくらいの母親でありたい」
⑤で出てきたのが、あなたにフィットした程よい理想です。
そういった程よい理想は、日々意識していると、自然とそちらに近づくような気づきが生まれたり、情報が引き寄ってきたりするでしょう。
マイルールを緩めよう
ここでは、うまくいかない、と感じさせるマイルールに気づき、緩めていくワークを紹介します。
① 子どもが自分の言うことを聞かないときのことをイメージして、その時存在していたかもしれないマイルールを書き出してください。
例: 宿題をしなさいと言っても聞かないのなら、マイルールは「子どもは宿題をするべき」
② マイルールを疑ってみましょう。
「子どもは宿題をするべき」と出てきたら、「子どもは宿題をしなくてもよい」と仮定して、宿題をしなくてもよい理由を探してみる。
*ネットで「子ども 宿題をしなくてもよい」などと検索して、今までの自分とは違う考えに触れてみるのもお勧めです。
②をやってみて、そのマイルールはあってもなくてもいい、と思えたら、マイルールは緩んできています。
例:「宿題はしてもいなくても、どっちでもいいかも」
もし、マイルールは絶対必要!と、反発心が強くでるようなら③へ
③ なぜそのマイルールが必要なのか、自分を主語にして探ってみましょう。
例: 「子どもは宿題をするべき」 なぜするべきなのか?
✖ それが子どもの義務だから (自分が主語になってない)
○ 宿題をしないと、(自分が)ダメな母親と思われそうで嫌だから
○ 宿題をしないと、子どもが勉強ができなくなって、いい大学に入れなくて、人生に失敗しそうで(自分が)不安だから
④ 自分を主語にして一通り探ってみたら、次の章で紹介するワークをやってみてください。
マイルールを緩めることで、うまくいかない、と感じる回数が減ってくるでしょう。
本当に大切したいものは何かに気づこう
多くの人はうまくいってないところを見つける方が、うまくいってるところを見つけるよりも、上手だったりします。
でも本当は、、、
子どもが生きているだけで、存在しているだけで、うまくいってるのかもしれません。
人と比べたり、理想の母親を追い求めたり、マイルールに子どもを従わせようとするとき、私たちは「存在しているだけで、うまくいっている」ということを忘れがちです。
でも、現実は、1年後、3か月後、一週間後、3日後、いや次の瞬間にでも、自分が、もしくは子どもが、死ぬ可能性だってあるわけです。
死に直面したとき、人は本当に大切なものと向き合えるのかもしれません。
そこで「本当に大切なものに気づく」ために以下のワークです。
① 明日、自分が死ぬとしたら、何を大切にしたいですか。書き出してください。
② 明日、子どもが死ぬとしたら、何を大切にしたいですか。書き出してください。
③ ①と②を同時に見ながら、本当に大切にしたいものを書き出してください。
③で出てきたものを、覚えておくようにしてください。
そしてうまくいかないと感じるときに、あなたが本当に大切にしたいものを思い出してみてください。
マイルールのワークで⑤まで行った人は、一通り探ったマイルールが、本当に大切にしたいものに沿っているかどうか、感じてみてください。
まとめ
「うまくいってる・うまくいかない」、という判断も、明確な軸があるわけではなく、人それぞれ、その人の中にある主観に左右されることも多いものです。
子育てがうまくいかないと悩む時間を本当に大切にしたいものに向かっていく時間にできたら、「うまくいってる・うまくいかない」が気にならないくらい、子育ては充実していくと思います。
あなたが子育てにおいて本当に大切にしたいものはなんですか?
一人でも多くの方の子育てが、充実したものになりますように。
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