
「正直、親がめんどくさい」
そう感じることはないでしょうか。
どうせ同じようなことしか言わない
いつも文句や愚痴ばかり
もう子どもじゃないのにやたらと心配してくる
親に対してめんどくさいと感じることはいけないことだ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
大変な思いをして育ててもらった親をめんどくさいと感じるなんて・・・、と罪悪感を感じることもあるでしょう。
世間一般的には、親は敬う対象で、親に感謝して優しく接するのがよしとされているようにも思います。
でも私は、「親がめんどくさい」という気持ちを大切にするからこそ、人生の次のステップに進めると考えています。
この記事では、「親がめんどくさい」という気持ちを大切したほうがよい理由をお伝えしていきます。
この記事の目次
どうして親がめんどくさいと感じるのか
まず初めに、どうして親をめんどくさいと感じるのかを探ってみたいと思います。
あなたはどんな時に親がめんどくさいと感じるでしょうか。
人それぞれ色々なケースがあると思いますが、多くは以下のようなときにめんどくさいと感じやすいのではないでしょうか。
<親がめんどくさいと感じる時の例>
・ 愚痴を言ってくるとき
・ こちらの言うことややることを否定してくるとき
・ やたらと心配してくるとき
・ いちいち首を突っ込んでくるとき
・ 親自身の価値観を押し付けてくるとき
めんどくさいと感じる心の中は
めんどくさいと感じる心の中は、どのようなことが起こっているのでしょうか。
愚痴を言ってこられたり、やたらと心配されたり、価値観を押し付けられることは、自分にとって嫌なことだからこそ、めんどくさいと感じるのだと思います。
親がしてくるそういったことが、どうして嫌なのでしょうか。
様々な理由があるかもしれません。
しかし共通しているのは、まず親にこうあって欲しいという期待が最初にあって、その期待が裏切られたと感じることが嫌なのだと私は考えます。
<期待の例>
・ 本当は愚痴を聞かされるのではなく、楽しく話したいのに・・・
・ こちらの言うことややることをまずは認めてほしいのに・・・
・ 心配ではなく信頼してほしいのに・・・
・ いちいち首を突っ込まず、見守っていてほしいのに・・・
・ こちらの価値観を尊重してほしいのに・・・
親に対し例に挙げたような期待があるけれども、その期待が裏切られたと感じるときに、めんどくさいという想いが出てくるという構造になっていると思われます。
また、期待が裏切られるときに、イライラする、がっかりする、不安になるなど、感情が揺れが大きくなる時は特に、めんどくさい気持ちも大きくなりやすいです。
なぜなら、多くの人は、ネガティブな感情を感じることを嫌なこととしているからです。
また、親に対しネガティブな感情を生じること自体、ダメなこととしている人も多いと思います。
(親にイライラするなんて、ダメな人間だ)というような罪悪感があれば、罪悪感を感じるめんどくささもプラスされるでしょう。
親に対するめんどくさい気持ちを大切にするとは
ではなぜ、親に対するめんどくさい気持ちを大切にした方がよいのでしょうか。
実は親に対するめんどくさい気持ちを抱えていると、人生のあちこちでトラブルが起きやすいのです。
例えば、人間関係。
夫(や妻)に対して本音が言えなかったり、子どもにイライラしがちになったり、心から通じ合える友だちができにくかったりします。
また、なんとなく人生がうまくいかないような感覚に陥りやすくなります。
自分を責めることも多く、いつもどこか焦りがあり、心から満たされるようなことは起きにくくなります。
でも、親に対しめんどくさいと感じることに罪悪感を持っていると、めんどくさい気持ちを押し込めて、親と付き合うことになります。
すると、人生はなかなかスッキリとうまくいかないまま、時間だけが過ぎていくことになりかねません。
人間関係や自分自身との関係を今よりも改善していくには、めんどくさいという気持ちを大切にしていくことがおススメです。
めんどくさいという気持ちを大切にするとは、めんどくさいという気持ちと、その裏にある親へのネガティブな想いや感情を受け入れることだからです。
ネガティブな想いや感情は否定して見ないようにしていると心の奥底ではどんどん膨らんでいきます。
しかし、ネガティブな想いや感情は受け入れることで手放す準備ができるのです。
めんどくさいと感じる裏側にある想いや感情を受け入れよう
親に本当はこうあって欲しい、というような期待がなければ、裏切られることもなく、めんどくさいという想いも出てこないでしょう。
全く赤の他人が愚痴を言っていても、期待がないので、「ああ、この人はこういう人なんだな。私は愚痴を聞きたくないから、近寄らないようにしよう」とスッキリ終われるのかもしれません。
生まれたときから一緒にいる親ですから、成長過程において、親にこうあって欲しいというような期待は無数にあったと思います。
親も人間ですから、子どものすべての期待に応えられるわけではありません。
すると、どうせ期待に応えてはもらえない、というような心の傷~インナーチャイルド~が心の奥底に堆積していきます。
そして、どんどん親に本音を伝えることをあきらめていきます。
先ほど、親に対するめんどくさい気持ちを抱えていると、人生のあちこちでトラブルが起きやすい、と書きましたが、人生のあちこちでトラブルが起きやすい根っこにはインナーチャイルドが隠れているのです。
めんどくさいと感じる裏側にある想いや感情を受け入れることは、インナーチャイルドを癒すことにも繋がっています。
本当は親に何を期待しているのか~本当は親にどうあって欲しいのか、どんなふうにふるまって欲しいのか、どんなふうに自分を扱って欲しいのか、など~を知っていくことは、自分の本音に気づいていくことでもあります。
その本音は小さいころから自分が抱えてきたけれども、どうせ伝えても無駄だとして、心の奥底に隠してきた本音です。
今まで隠してきた自分の本音を気づいていくだけでも、自分自身を肯定できるようになっていきます。
また、期待が裏切られたことと感じることで出てくる感情は、小さいころから抑えてきた感情でもあります。
めんどくさがらずに、ちゃんと感じてあげることで、どんどん軽くなっていきます。
そして、親への期待そのものを手放すことができるようになります。
感情の感じる方法はこちらの記事に詳しく書いてあります。
親に対するめんどくさい気持ちを大切にした先に起こりうること
親に対するめんどくさい気持ちを大切にし、親への期待や裏切られたと感じて出てくる感情を受け入れていくと、どうなるのでしょうか。
直接的には、親に対し、めんどくさいと感じることが減っていきます。
そして、更にめんどくさいことになるからと、今まで言えなかった本音が、さらっと言えることが増えていきます。
さらっと言ったら案外、親は素直に受け入れてくれた、なんてことも起こってきます。
また反対に、義務感で親に電話したり、定期的に実家を訪れていた人は、親と適切な距離が保てるようになり、親と接触する頻度が少なくなるかもしれません。
案外、それでも親は何も言ってこずに、平和に過ごせることに気づくかもしれません。
間接的には、親以外の人間関係においても、めんどくさいと感じることが減っていくでしょう。
やはり本音がさらっと言えたり、自分はこう思うからこうして欲しい、などと自己主張もはっきりとしやすくなるかもしれません。
すると、本音で通じ合えるような人たちが、なんとなく周りに集まってくるようになります。
また、自分の本音を認め肯定していく過程で、自己肯定感が高まり、人生は流れるようにうまくいくもの、という感覚が少しずつ出てきます。
もしかしたら、親に対する気持ちの変化よりも、自分の家族や周りの人たちとの関係の方が先に自然と改善されていくかもしれません。
まとめ
親に対してめんどくさいなんて・・・として、もし自分の気持ちを押し込めているようなら実にもったいない!
親に対するめんどくさい気持ちには、今の自分を変化させるエッセンスに溢れています。
それくらい親から受けてきた影響は深くて大きい、とも言えるかもしれません。
とにかく、第一歩として、親に対してめんどくさいと思ってもよしとすることです。
親には感謝しなくちゃならない、と言って、めんどくさい気持ちを抑えて感謝しようとしても、心から感謝できるようにはなりません。
なぜなら親に対し心から感謝できるようになるには、めんどくさい、という気持ちを認めるところを通る必要があるからです。
詳しくはこちら
「親がめんどくさい」という一見ネガティブに思えるセリフを、人生を好転させるきっかけにしていきましょう。
親がめんどくさいの裏側にある想いや感情を見つけることが難しい場合はご相談くださいね。