子育てのイライラが減る!小学生へのアイメッセージの使い方

 

「早く宿題をしなさい!」

 

「いつまでダラダラしてるの?」

 

「何度も言わせないでっ」

 

 

日に何度も子どもを叱ってるけど、全然言うことをきいてくれない。

 

反対に口ごたえされてイライラしたり、言えば言うほど逆効果なような気がして、ストレスばかり溜まっていく。

 

 

そんなことはありませんか。

 

 

そんなときは、「アイメッセージ」!

 

 

「アイメッセージ」を使うことで、子どもとのコミュニケーションをスムーズにしながら、自分自身を深く知っていくことができます。

 

自分自身を知ることは、自分を変化させていくきっかけにもつながります。

 

 

そんな「アイメッセージ」について今回はお伝えしたいと思います。

 

この記事の目次

「アイメッセージ」とは?子育てが変わる理由

アイメッセージの基本

 

では一体「アイメッセージ」とは何なのでしょうか。

 

「アイメッセージ」とはアメリカの臨床心理学者トーマス・ゴードン氏が「親業」という本の中で提唱した伝える技術です。

 

「私メッセージ」「I(アイ)メッセージ」と表現されることもあります。

 

アイメッセージは「私は〇〇と感じる」という形で、自分の気持ちを主語にして伝える方法です。

 

「アイメッセージ」に対し、冒頭で挙げた言葉たちは「ユー(YOU)メッセージ」と言います。

 

ユーメッセージとの違い

 

従来の叱り方は「ユーメッセージ(YOUメッセージ)」と呼ばれ、相手(子ども)を主語にした命令・非難の言葉です。

 

タイプ 特徴 子どもへの影響
ユーメッセージ 「あなた」が主語

命令・非難

「早く宿題しなさい!」

「何やってるの!」

反発・自己否定

やる気ダウン

アイメッセージ 「私」が主語

気持ちを伝える

「宿題が終わってないと、お母さん心配なの」 共感・自発性

関係性向上

 

なぜ「アイメッセージ」が効果的なのか

 

「アイメッセージ」で伝えることのメリットは何なのでしょうか。

 

 

まずは「ユーメッセージ」を使っているときのことをイメージしてください。

 

「ユーメッセージ」を使ってしまうときは、大抵の場合、子どもを非難したり、子どもをコントロールしようとしている時ではないでしょうか。

 

 

例:「テレビの音がうるさい!音を小さくしてって何度言ったらわかるの!ほんと、全然きかない子ね」

 

 

子どもを非難する、子どもをコントロールしようとする裏側には、今のままのあなたはダメな子ども、というメッセージも暗に含まれています。

 

子どもは親が言葉にしている意味よりも、非難されている・コントロールされようとしている、ということを敏感に感じ取り、ありのままの自分が認められていないことを察知し、自己否定を深めていきます。

 

 

なので、親の言うことを素直にきくことより、反発したり、すねたり、必要以上に落ち込んだり、というような反応が瞬時に出やすくなってしまうのです。

 

素直にきく、という場合は、自らすすんで行動するというより、きかなかったら悪いことが起きるから仕方なく行動する、というようになりがちです。

 

 

反対に「アイメッセージ」は、ただ自分の想いを相手に伝えることが主であり、本来そこには相手を非難したり、コントロールする要素は含まれません。

 

 

例: 「お母さん、あなたが見ているテレビの音がうるさく感じて、頭が痛くなってイライラするんだ。だから音を小さくしてもらえたら嬉しいな。」

 

 

「アイメッセージ」だとただ自分が想っていることを伝えるだけで、その後どうするかは子どもの選択に委ねられます。

 

人は何かを強制されるよりも、選択が自分にゆだねられていたほうが、自分で考えて自分の意思ややる気で行動できるようになります。

 

子どもにどうしても大きい音でテレビを見たい理由があるなら、それを親に伝わるように伝えようとし、テレビを見る場所を移動するなどお互いの調整を図るような交渉の余地もあります。

 

すると、どうしたらお互い心地よくいられるか、バランスのいい点を探っていくような関係性が生まれやすくなるのです。

 

 

<アイメッセージのメリット>

 

1. 子どもの自己肯定感を守る:非難されないので、素直に聞ける

2.  考える力を育てる:「どうしたらいいのか」と自分で考える機会になる

3.  親のストレス軽減:感情を適切に表現できる

4.  親子の信頼関係が深まる:本音で話せる関係に

 

【小学生向け】今日から使える!場面別アイメッセージ実践集

 

朝の支度でグズグズする時

 

ユーメッセージ

「早く着替えなさい!遅刻するでしょ!」

 

アイメッセージ

「時間通りに出られないと、お母さんも仕事に遅れて困っちゃうんだ」

「準備が遅れると、お母さんも慌ててしまって不安になるの」

 

ポイント:時計を見せながら「あと10分で出たいんだけど、協力してくれる?」と具体的に伝える

 

宿題をしない時

 

ユーメッセージ

「宿題しないでゲームばっかり!いい加減にしなさい!」

 

アイメッセージ

「宿題が終わってないまま寝る時間になると、お母さん心配で眠れないんだ」

「やることが終わってから遊ぶと、お母さんも安心できて嬉しいな」

 

ポイント:「いつやる?」と選択肢を与えて、子どもに決めさせる

 

部屋が散らかっている時

 

ユーメッセージ

「何この部屋!片付けなさいって何回言ったの!」

 

アイメッセージ

「部屋が散らかっていると、お母さん落ち着かなくてモヤモヤするの」

「みんなで使うリビングが散らかっていると、お母さん悲しい気持ちになるんだ」

 

ポイント:「一緒に5分だけ片付けよう」と具体的な提案をセットにする

 

兄弟げんかをしている時

 

ユーメッセージ

「またケンカ!いつもうるさい!静かにして!」

 

アイメッセージ

「大きな声でケンカされると、お母さんドキドキして怖くなるの」

「二人が言い合っているのを見ると、お母さん悲しくなる」

 

ポイント:それぞれの気持ちを聞いた後で、「お母さんは〇〇」と伝える

 

食事中にダラダラ食べる時

 

ユーメッセージ

「いつまで食べてるの!早く食べなさい!」

 

アイメッセージ

「食事時間が長くなると、お母さんも片付けられなくて困るんだ」

「みんなで食べる時間を楽しみたいから、お母さんは寂しくなるよ」

 

ポイント:「〇時までに食べ終わろうね」と目安を示す

 

約束を守らない時

 

ユーメッセージ

「約束したでしょ!全然守らないじゃない!」

 

アイメッセージ

「約束が守られないと、軽く扱われている気がして悲しいの」

「約束を守ってくれると、お母さん嬉しいし、信頼できるって思えるんだ」

 

ポイント:約束した時の状況を確認「覚えてる?どうしたの?」と聞く

 

反抗的な態度をとる時(高学年)

 

ユーメッセージ

「その態度なに!親に向かって!」

 

アイメッセージ

「そういう言い方をされると、お母さんショックで悲しくなる」

「あなたの気持ちを知りたいけど、その言い方だとお母さん傷ついちゃうな」

 

ポイント:感情的にならず、落ち着いてから伝える。子どもの気持ちも聞く姿勢を示す

 

アイメッセージ3つのステップ実践法

 

ステップ1:子どもの行動を客観的に述べる

 

「〇〇すると」「〇〇している時」と、事実だけを伝えます。

 

❌「いつもダラダラして」→ 評価・決めつけ  

⭕「宿題に2時間かかっていると」→ 事実

 

ステップ2:自分への影響を伝える

 

その行動が自分(親)にどんな影響を与えるかを説明します。

 

具体的に:「困る」「心配」「不安」など、何が起こるのかを明確に

 

例:  

「夕食の準備ができなくて困る」  

「明日学校で困るんじゃないかと心配になる」

 

ステップ3:自分の感情を素直に表現する

 

「お母さんは〇〇な気持ちになる」と感情を言葉にします。

 

感情を表す言葉の例

- 悲しい、寂しい

- 心配、不安

- イライラする、モヤモヤする

- 困る、疲れる

- 嬉しい、安心する

 

【完成形の例】

 

「宿題をしないでゲームをしていると(行動)、明日学校で困るんじゃないかと(影響)、お母さん心配になるの(感情)」

 

アイメッセージの落とし穴!失敗パターンと対処法

 

❌ 失敗例1:実はユーメッセージになっている

 

NGパターン

「お母さん、あなたのそういうところが嫌いなの」

→「私」を主語にしても、非難や脅しになっていたらNG

 

正しく直すと

「そういう言い方をされると、お母さん悲しい気持ちになるんだ」

 

❌ 失敗例2:感情のコントロールに使おうとする

 

NGパターン

「片付けてくれないと、お母さん怒っちゃうよ!」

→ 脅しになってしまっている

 

正しく直すと

「片付いていないと、お母さん落ち着かなくてイライラしちゃうの」

 

❌ 失敗例3:長すぎて説教になる

 

小学生、特に低学年には短く・シンプルにが鉄則。

 

NGパターン

「お母さんはね、あなたが宿題をしないでゲームばかりしていると、将来困るんじゃないかって…(以下長文)」

 

正しく直すと

「宿題が終わってないと、お母さん心配なんだ」(短く!)

 

❌ 失敗例4:毎回同じパターンで効果が薄れる

 

対処法:

- 感情の言葉を変える(心配→不安、悲しい→寂しい)

- 具体的な影響を変える

- 時には黙って待つ、他の方法も組み合わせる

 

 

自分の話している言葉が、「アイメッセージ」なのかそうでないのか、自分が友人や知人から同じことを言われたときにどう感じるか、をイメージしてみると判別がつきやすいと思います。

 

年齢別アイメッセージのコツ

 

小学校低学年(1〜3年生)

 

特徴:まだ相手の気持ちを想像する力が発達途上

 

コツ

- 短く、わかりやすい言葉で

- 感情を表す言葉は「嬉しい」「悲しい」などシンプルに

- 表情やジェスチャーも使う

- 「どうしたらいいと思う?」と一緒に考える

 

例:

「おもちゃが散らかっていると、お母さん困っちゃうな。どうしたらいいかな?」

 

小学校高学年(4〜6年生)

 

特徴:親の価値観に疑問を持ち始める、反抗期の入口

 

コツ

- 子どもの気持ちを先に聞く姿勢を見せる

- 「〇〇してほしい」と希望も伝える

- 対等な関係を意識する

- 子どもの意見も尊重する

 

例:

「約束の時間が守られないと、お母さん心配になるし、信頼されてないのかなって不安になる。あなたはどう思う?」

 

アイメッセージで効果を高める5つのポイント

 

1. タイミングを選ぶ

 

NG:子どもがゲームに夢中、友達と遊んでいる最中  

OK:落ち着いている時、二人きりの時

 

2. 穏やかなトーンで

 

怒鳴るようなトーンでは、どんなに良い言葉でも「怒られている」と感じてしまいます。

 

3. 目線を合わせる

 

特に低学年には、しゃがんで目線を合わせて伝えると効果的。

 

4. 抱きしめながら伝える(可能な時)

 

スキンシップと一緒だと、愛情が伝わりやすくなります。

 

5. 良い行動にもアイメッセージを使う

 

「お手伝いしてくれて、お母さんすごく助かったよ。嬉しい!」

 

褒める時にもアイメッセージを使うと、子どもの自己肯定感がさらに高まります。

 

アイメッセージを続けるコツ

 

最初は違和感があって当然

 

40年近く「ユーメッセージ」で育ってきたのですから、最初は不自然に感じるのは当たり前です。

 

おすすめ練習法:

1. まずは1日1回、寝る前の振り返りで「あの時、どう言えばよかったかな」と考える

2. よく使う場面のフレーズを3つだけ覚えておく

3. 完璧を目指さず、「今日は1回使えた!」と自分を褒める

 

夫婦で共有する

 

パートナーと一緒にアイメッセージを学ぶと、家庭全体のコミュニケーションが改善します。

 

「私たち、アイメッセージを練習してるんだよ」と子どもにも伝えてOK。

 

子どもも自然と使い始める

 

親がアイメッセージを使い続けると、子どもも自然と真似し始めます。

 

「お母さん、それ使われると嫌な気持ちになる」

 

こんな言葉が出てきたら、大成功!コミュニケーション力が育っている証拠です。

 

アイメッセージで自分自身を知る

 

子どもとのコミュニケーションを円滑にする「アイメッセージ」

 

しかしアイメッセージを使い続けると、子どもとの関係が良くなるだけでなく、自分自身の深い部分に気づけるようになります。

 

自分の価値観や大切にしていることが見えてくる

 

子どものどんな行動や言動が、自分にどんな影響を与えて、自分はどんな気持ちになるのか、を知っていくことができます。

 

「どうして私は〇〇にイライラするんだろう?」  

「本当に大切にしたいことは何だろう?」

 

こう自分に問いかけることで、自分の子育ての軸が見えてきます。

 

自分の幼少期の傷に気づくこともある

 

例えば「返事をしてくれないとイライラする」という感情の奥に、「子どもの頃、親に無視されて悲しかった経験」が隠れていることも。

 

このような気づきは、自分自身を癒し、成長させる大きなきっかけになります。

 

「アイメッセージ」私の経験談

私は子育てにおいて子どもに、「ダメ」という言葉を使わないようにしようと決めていました。

 

なぜなら、自分が親から日常的に「ダメ」と言われてきて、なぜダメなのかよく理解できない上、自分自身を否定されているようで嫌だった想いがあったからです。

 

なので、子どもにやめて欲しい行動があったら、自分がその行動に対し何を感じているのか、フラットに伝えていくことにしました。

 

それが、アイメッセージを使い始めたきっかけになったんです。

 

そして「アイメッセージ」で自分の想いを子どもに伝え続けているうちに、自分がどう感じるのか、自分はどうしてそう感じるのか、自分自身を深く知っていくのに「アイメッセージ」が役に立つ、ということに気づきました。

 

 

例えば、何度話しかけても子どもが返事をしなかった場合、「アイメッセージ」で私の息子に自分の想いを伝えようとすると以下の言葉が出てきました。

 

「返事をしてくれないと嫌な気持ちになる」

 

しかし、ここで、どうして返事をしてくれないと自分は嫌な気持ちになるんだろうか、と疑問を持ち、更に自分の気持ちを深堀していきました。

 

 

返事をしてくれないと、無視されている感じがして嫌な気持ちになる 

 

→ どうして無視されている感じがすると嫌な気持ちになるのか

 

→ 大切に思ってもらえていない感じがして嫌な気持ちになる 

 

→ 嫌な気持ちってどんな気持ちなのか

 

→ イライラするし、悲しいし、寂しい

 

 

このように自分の想いを深く知っていくと、目の前にある現実と自分の想いとの間のギャップに気づくことができるようになります。

 

返事をしてくれない=大切にされてない、って思っているけど、子どもは私のことを本当に大切に思ってないのかな?

 

いや、目の前の状況は、単に男の子特有のボーっとした状態、聞いているようで聞こえてない状態で、私を無視しようとしてわざとやってるわけではない。

 

それなのになぜ、大切にされてない感じがして、色々な感情がわいてくるのだろう・・・

 

そうやって、更に更に、深堀りしていくと、親に無視されて傷ついたことや、私がボーっとしていて結果的に親の言うことを無視してしまった時にひどく怒られた時のことが思い出されました。

 

そして無視(人の話をきかない)に対し、小さい時の心の傷『インナーチャイルド』があるんだな、と気づくのです。

 

息子に無視されているように感じる目の前の状況は、自分に『インナーチャイルド』があることに気づかせるために起こっているのかも。

 

では、息子に自分の気持ちを伝えるだけでなく、私自身の『インナーチャイルド』を扱って、私の想い自体を変えていこう、と自ら行動を起こしていきました。

 

 

すると、その件に関しての自分の『インナーチャイルド』を癒してからは、息子が私の話を聞かなくても特に感情は湧いてこなくなりました。

 

今息子はボーっとしていて私の声がBGMのようになっているんだなと捉えて、彼が私の声に気づくまでフラットに何度も声をかけ続ける、という対応ができるようになったのです。

 

 

そうやって育った息子は今思春期ですが、反抗的な雑な言葉を使うことはなく、丁寧に自分を気持ちを伝えてくれます。

 

まとめ

 

「早くしなさい!」「何度言ったらわかるの!」という毎日から、お互いを尊重し合える親子関係へ。

 

アイメッセージは、子育てを変える力を持っています。

 

まずは、子どもを叱りたくなったら「アイメッセージ」で自分の想いを伝えるように意識してみてください。

 

「ユーメッセージ」で叱っていたときよりも、スムーズにコミュニケーションがとれる感じがあるかもしれません。

 

慣れてきたらと、普段の自分の想いも、「アイメッセージ」で伝えていきます。

 

子どもとの関係性がよくなるだけでなく、自分自身を深く知り、大きく変化させていく大きな力になると思います。

 

 

子育ては長い旅。

 

アイメッセージを味方につけて、イライラを減らし、笑顔の多い毎日を手に入れましょう。

 

あなたの子育てがもっと楽に、もっと楽しくなりますように。

 

 

 

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